授乳と閉経前乳がん:家族歴との関連が濃厚

乳がん家族歴のある女性タレントの死亡が伝えられていた。マスコミからBRCA遺伝子のことやら、家族歴の話など啓発されることを期待していたが、マスコミ近傍の医者の見識低さ故か・・・そういうポジティブな話にはつながらないようである。

授乳と、乳がんの関連は以前から知られていたが、本格的な前向きコホートにより確認された


授乳と閉経後乳がんリスクの相関は未だ考察下であり、大規模データや前向きコホート研究がない。
Stuebeらは、授乳と閉経後乳がんの関連をNHSIIに基づき検討。授乳歴ある場合は、閉経後乳がん発症59%減少と関連r (ハザード比, 0.41; 95% 信頼区間, 0.22-0.75)。授乳は、乳がん家族歴のない女性では閉経前乳がん頻度とは関連しない。

Lactation and Incidence of Premenopausal Breast Cancer
A Longitudinal Study
Arch Intern Med. 2009;169(15):1364-1371

357556人年フォローアップ中、閉経後乳がん608症例の発生
授乳経験女性の共役因子補正ハザード比(HR)は、授乳経験無し女性比較で0.75(95% 信頼区間 [CI], 0.56-1.00)。総授乳期間数、授乳のみ、授乳無月経により線形傾向はみられない。
授乳と閉経前乳がんの関連は、乳がん家族歴で補正される (P value for interaction = .03)。
first-degree relativeの乳がん家族例を有する女性では、授乳経験のない閉経前乳がんに関して、共役因子補正後HRは 0.41(95%CI, 0.22-0.75)で、家族歴無しではその相関はみられない。

by internalmedicine | 2009-08-11 09:22 | がん  

<< 4つの健康要素(非喫煙・肥満・... アクトスの末梢骨骨折リスク 他... >>