薬剤誘起性線維性弁膜疾患: ドパミン系薬剤に注意
2009年 08月 20日
The Lancet, Volume 374, Issue 9689, Pages 577 - 585, 15 August 2009
doi:10.1016/S0140-6736(09)60252-XCite or Link Using DOI
弁膜性心疾患発症と薬剤の関連、1960年代、偏頭痛予防のためのmethysergide と ergotamineで認められた。
その後、食欲減退薬、fenfluramine とdexfenfluramine、ドパミンアゴニストpergolide と cabergoline、最近ではecstacy(3,4 methylenedioxymethamphetamine; MDMA) が言及されている。
臨床トライアルでは薬用量・期間が疾患発症と重症度と関連し手いることが判明している。治療終了後弁膜病変の退縮がみられるという報告もあるが、自然史は不明。
セロトニン代謝、受容体・担体が薬剤誘起性弁膜症に関与している可能性がある。
医師は、この薬剤の潜在的リスクを考慮し、継続のベネフィットとのバランスを考慮すべき
サマリーには書かれてないが、パーキンソン治療薬に用いられるergot-derived dopamineはむずむず脚症候群や高プロラクチン疾患への治療としても用いられ、使用が広がっている。ドパミン・アゴニストと弁膜機能異常の関連をはじめて報告されたのが2002年(Mayo Clin Proc 2002; 77: 1280-128)で、pergolide(ペルマックスなど) →cabergoline(カバサール錠)で報告。左右多弁膜疾患が報告され、fenfluramine誘起性、ergotamine誘起性、あるいはカルチノイド心疾患に類似。bromocripitne(パーロデル)で一例報告、続報無し。lisuride(テルグリド)では弁膜症報告無し。
pergolide服用患者では中等症・重症弁膜疾患0-31%、cabergolineで0-69%の報告
投与詳細解析や前向き研究が十分にないため、結論づけ不能だが・・・検討が必須。
by internalmedicine | 2009-08-20 10:48 | 動脈硬化/循環器