インフルエンザワクチン ユニバーサル使用による抗生剤使用減少効果

新型インフルエンザワクチン輸入するそうだが・・・日本のワクチン行政がいかにグローバルスタンダードとかけ離れているかが、表面化することだろう。

一般大衆に、再び、日本の厚生行政の特異性が暴露される機会になるか?

一般の季節型インフルエンザワクチンについてだが、
ワクチン対象者:65歳以上、慢性疾患患者が主体、4歳未満基本的には非適応
ワクチン接種方法:筋注主体(量節約のため皮内投与を検討したことあり:インフルエンザワクチンを筋注から皮内注にかえたら注射量節約・・・・日本の皮下注は? 2004-11-04  )



”インフルエンザワクチンの universal useは、不適切な抗生剤使用減少という効果ももたらす”という報告らしいのだが、よく読めば、単なる横断調査で、抗生剤処方撲滅キャンペーンなどの影響も否定できず・・・断定的結論づけに疑問を持たざる得ない。

Kwong JC, et al "The effect of universal influenza immunization on antibiotic prescriptions: An ecological study" Clin Infect Dis 2009; 49: 750–56.

Marraらは、専門誌に、インフルエンザ関連抗生剤処方64%減少の影響が有ったと報告。さらに、層別化したワクチン接種対象者に限定した場合、この抗生剤節約効果はみられなかったというもの。



1996/1997シーズンから2000年後半まで検討し、オンタリオ州で18%→38%と接種率増加し、他の地域も13→24%と増加

2000年後カナダの上気道炎感染に対する抗生剤処方は減少、しかし、ペニシリン系、セファロスポリン系は減少し、キノロン系は増加している。
Ontarioで、インフルエンザ関連抗生剤処方は1000人口に対して17.9→6.4と低下し、他の地域では8.3→8.2の低下であった。

by internalmedicine | 2009-08-24 09:26 | インフルエンザ  

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