【若年軽症・中等症COPD】 無症状の場合一秒率低下だけでは予後推定できない

スパイロメトリーだけでCOPDという病気を決めて良いのか?

若年軽症・中等症COPDの9年フォローアップで、無症状・スパイロメトリー異常だけの対象者は、長期予後は、スパイロメトリー正常者と変わらない・・・という話

すなわち、街中を歩いてる人をとっつかまえて、COPDの比率がどの程度(COPD有病率(NICEスタディ))だから・・・という脅しに正当性があるかどうか? 疑問を呈する報告とも解釈

街中を歩いている人のCOPDの有病率がなんぼ・・・と言っても説得力無いと思うのだが・・・呼吸器系の講演会に行くとこれを金科玉条のごとく話す講師・・・そろそろ自重すべきだろう

Effectiveness of Treatments for Severe Sepsis: A Prospective Multicenter Observational Study
Ricard Ferrer, Antonio Artigas, David Suarez, Eduardo Palencia, Mitchell M. Levy, Angel Arenzana, Xose Luis Pérez, and Josep-Maria Sirvent
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2009; published ahead of print on August 20, 2009 as doi:10.1164/rccm.200812-1912OC
Rationale: スパイロメトリークライテリアに基づく軽症・中等症COPD者の長期アウトカムについては知見の集積少ない

Objectives: スパイロメトリーCOPD診断非喫煙者・無症状者は、気道閉塞のない者に比べ、肺機能が急激に低下し、入院率が高いという仮説確認

Methods: 5,205名の非喘息(20-44歳)の一般住民、ベースライン FEV1予測値 ≥50%を国内コホートという枠組みで9年フォローアップ
フォローアップ期間のFEV1 (∆FEV1%)のパーセント減少や呼吸器疾患年次入院率を各個人で評価

Measurements and Main Results:ベースラインで、324(6.2%)が拡張剤試験前FEV1/FVC<正常下限(LLN-COPD)、105(2.0%)が<0.70 (modified GOLD-COPD)という基準に該当

フォローアップ時、健常者比較で、LLN-COPD(n=205)は、平均∆FEV1% (+1.7%; 95%CI: +0.8%, +2.7%) が大きく、入院率が高い(RR=2.52; 95%CI: 1.65, 3.86)

同様に、LLN-COPD患者(n=104)は∆FEV1% (+2.0%; 95%CI: +0.8%, +3.3%) と入院率(RR=4.18; 95%CI: 2.43, 7.21) ともに参照に比べ大きい。

一方、非喫煙、無症状LLN-COPDは正常者より同等もしくは良好のアウトカムである。

LLN-COPD者のうち、ΔFEV1%の症状の関連はばらつきがあり、喫煙習慣に左右される(p=0.007)
この関連は、有症状喫煙者で影響が大きく、症状非喫煙者ではない
同様のことが修正GOLD分類でも認められる。

Conclusions: 若年者において、COPDは喫煙者・有症状者において長期予後不良と関連する。

by internalmedicine | 2009-08-25 08:43 | 呼吸器系  

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