重度敗血症:広域スペクトラル抗生剤投与とと活性化プロテインC(ドロトレコギンα)

77のICU重症敗血症患者の研究で、広域スペクトラル抗生剤治療と活性化プロテインC(ドロトレコギンα)がもっとも多くの重症敗血症患者の死亡率を低下させることが示された。

輸液や血糖、気道内圧管理の苦労は・・・・この報告では報われてない。

4つの治療ゴール
・中心静脈圧 ≥ 8 mmHg :補液蘇生 and/or 乳酸l > 36 mg/dl治療に不応性の持続)
・中心静脈酸素分圧 ≥ 70%: 中心静脈酸素飽和度 ≥ 70% :補液蘇生 and/or 乳酸l > 36 mg/dl治療に不応性の持続)
・人口呼吸患者では、inspiratory plateau pressure < 30 cmH2O )


4 つの治療
早期広域スペクトラム抗生剤; 低血圧 and/or 乳酸>36 mg/dl患者に対する輸液負荷; 敗血症ショックに対する低用量ステロイド; 多臓器不全に対するdrotrecogin alfa (activated)

コンプライアンス調査

プライマリアウトカムは入院死亡率で、propensity補正

2796名の患者のうち、41.6%が退院前死亡

低入院時死亡率と関連事項は

1)早期広域スペクトラム治療(一時間以内治療 vs 6時間内無治療、オッズ比 0.67; 95%信頼区間 0.50-0.90; P=0.008)
2)drotrecogin alfa (activated) (オッズ比 0.59; 95%信頼区間0.41-0.84 ; P= 0.004)


補液・低用量ステロイドにベネフィット認めず

Effectiveness of Treatments for Severe Sepsis: A Prospective Multicenter Observational Study
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2009; published ahead of print on August 20, 2009 as doi:10.1164/rccm.200812-1912OC.



Xigris(活性型drotrecogin alfa)の敗血症の管理におけるリスク・ベネフィットに関してその決定には議論が待たれているはず・・・
活性化プロテインC(ドロトレコギンα)は線維素溶解活性と抗炎症活性を有する組み換え薬で,早期に投与を開始した場合,重症敗血症および敗血症性ショックに有用と思われるが,効果は,APACHE IIスコア(を参照 表 4: 重症患者へのアプローチ: APACHE Ⅱスコアリングシステム*表)が25を超えることで定義される死の危険を伴う患者のみにおいて証明されている。用量は24μg/kg /時で,96時間の持続静注による。出血が最も一般的な合併症なので,禁忌となるのは,3カ月以内の出血性脳卒中,2カ月以内の脊髄または頭蓋内手術,出血のリスクを伴う急性外傷,および頭蓋内腫瘍などである。その他の重篤な出血のリスクが高い患者(例,血小板減少または最近の消化管出血,ヘパリンの併用投与,最近のアスピリンまたは他の抗凝固薬の使用)においては,リスク―利益の評価が必要となる。メルクマニュアル

by internalmedicine | 2009-08-25 09:46 | 集中・救急医療  

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