【性差医療】急性冠症候群における予後性別差は、血管所見・臨床所見補正後消失

女性を大切にしてますよ・・・と言えば、社会的階層の高い人たちは、評価が上がるのだろう・・・で、性差外来などが盛んで、ポピュリズム大臣が掘っておくわけもなく、これの促進を図ってるようだ・・・だが、これって、科学的根拠に基づいているのだろうか・・・確かに、性ホルモン関連する疾患も多く性差がクリティカルな疾患も多いだろうが、個別に検討が必要だろう。

急性冠症候群における予後性別差の原因は、背景因子で十分説明でき、臨床的・血管造影所見の差を考慮すれば性差がない。層別化検討の材料として役立つだろう。

Sex Differences in Mortality Following Acute Coronary Syndromes
JAMA. 2009;302(8):874-882.
11の独立した、国際的ランダム化ACS臨床トライアル(1993-2006)
28%、38048名が女性で、ST上昇型心筋梗塞(STEMI) 102004(26%女性)、非STEMI(NSTEMI) 14466(29%女性)、不安定狭心症19777(40%女性)を検討

30日死亡率は女性で9.6%、男性で5.3%(オッズ比[OR], 1.91; 95%信頼区間[CI] 1.83-2.00)

多変量解析補正後、死亡率は女性男性で有意差無し(補正化 OR, 1.06; 95% CI, 0.99-1.15)

ACS介入タイプによる性別特異性が示される (P < .001)

STEMIにおいて、30日史オブ率は女性で多いn (adjusted OR, 1.15; 95% CI, 1.06-1.24)が、NSTEMI(adjusted OR, 0.77; 95% CI, 0.63-0.95) や不安定狭心症 (adjusted OR, 0.55; 95% CI, 0.43-0.70)では女性の方が低い

造影剤データの35128名のコホートにおいて、ACSのタイプにかかわらず、女性は非閉塞が多く (15% vs 8%)、二血管病変(25% vs 28%) や三血管病変 (23% vs 26%) が少ない。

血管造影による疾患重症度補正追加後、ACSタイプにかかわらず、30日死亡率は男性より有意に異なるとはいえない。
性別・30日死亡率の相関は血管造影重症度と通して同等(P for interaction = .70)



性差医療(ジェンダー・スペシフィック・メディスン)が取り上げられることが多いが、背景因子補正で、差のない疾患というのも多いのかもしれない。層別化において、過剰な性差考慮がなされれば、かえって、ベネフィットをそぐことにもなるだろう。・・・十分な検討の上の冷静な判断が必要だろう。

by internalmedicine | 2009-08-26 08:48 | 動脈硬化/循環器  

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