混乱の極みの日本の新型インフルエンザワクチン供給・割り付け

報道されていることだが、President's Council of Advisors on Science and Technology (PCAST)による、豚インフルエンザ（２００９H1N1)の第二波による米国での犠牲者は三万から四万人予測とのこと・・・これでみると、米国は、オバマ大統領を最高指揮官にしていることが・・・みてとれる。

日本は、桝添が、相変わらず、ポピュリズム行政を進めているように見える。・・・　弊害は、時期に、すなわち、秋口から冬に判明することだろう。

日本の政府・マスコミは期待通りの反応してる（笑）　昨夜の日本テレビのニュースでは医者は後回しの報道がなさた。

せめて、感染外来・救急やＩＣＵ医師・看護師・放射線技師・事務を含むスタッフくらいは最優先にしてもらいたいのだが・・・

報道通りだとすると、http://journals.lww.com/ajnonline/Fulltext/2009/09000/The_Pandemic__H1N1__2009_Virus_Vaccine.10.aspxと違い、この施策、かなり特異的・・・

本来、WHOは医療従事者を先にワクチンすべきという推奨を出している。これは、Pandemic Paradoxなどの流行時人的社会資源枯渇予防のためにも必須なのだ。


すでに、かなりの確率で、外来医療機関・医師・看護師は感染していると思う。この時点で各種セッティングにおける個体の抗体集計してみたら、どの程度すでに感染流布しているかがわかるはず。・・・と、私などはあきらめているが・・・運を天に任せ、症状らしきものがでたら、休診せざる得まい。

Whom to vaccinate first. The WHO recommended that health care workers receive the first vaccinations. The U.S. Department of Homeland Security and the DHHS have existing vaccine allocation guidelines (www.pandemicflu.gov/vaccine/allocationguidance.pdf) that, in the event of a pandemic, recommend allocating vaccine to target groups in five tiers. First up would be health care workers and others, such as emergency services workers, who are "essential to the pandemic response"; essential community services workers; children up to three years old; pregnant women; and deployed military personnel. Succeeding tiers allocate vaccine based on occupation, age, and health status.

患者団体優先のポピュリズムによる愚作・・・この冬・・・医療従事者が次々と休業し・・・医療機関はその機能を失うこととなるだろう・・・そもそも、この優先順位って、罰則もないのに、実施可能なのだろうか？・・・供給されやすいところが、そこの判断でワクチン接種して、ハイ終わり！


まぁ・・・それも政治というものだから・・・全国の医療機関の皆さん　あきらめましょう　そして、インフルエンザ症状発症の時は、我先に休みましょう・・・伝播させたと批判されるし・・・

そもそも、優先順位先頭の方々に必ずしも供給されるとも思えない・・・




Guidance on Allocating and Targeting Pandemic Influenza Vaccine
(http://www.pandemicflu.gov/vaccine/allocationguidance.pdf)


新型ワクチン「子供と親優先が有効」と解析
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090821-OYT1T00112.htm
　↑
原文では、学校児童・生徒と、親に当たる３０－３９歳という表現
（参照：Science誌：最適なインフルエンザワクチン配布）・・・基礎疾患患者重視と一線を画した報告が出ている。

インフルエンザの専門家の細分化・・・インフルエンザというウィルスに詳しいヒト、インフルエンザの感染疫学に詳しいヒト、インフルエンザワクチンの製造に詳しいヒト、インフルエンザのワクチン供給に詳しいヒト、インフルエンザの診断に詳しいヒト、インフルエンザの合併症治療に詳しいヒト、インフルエンザの国際行政・WHOのやり方に詳しいヒト・・・など存在するようで、まとまりが無く、混乱を助長しているようである。以前から述べるように桝添のような素人を前面に出すより、より公衆衛生に造詣の深い医療専門報道官を仕立てて、総理大臣をトップとしたトップダウンの挙国的体制が今必要なのである。・・・米国はそれを行ってる。