可溶性食物繊維サイリウムの過敏性腸症候群への効果

日本でもサイリウムってのが、特保扱いになっている

サイリウムってので、少々注意しないといけないのが・・・
サイリウム種皮、サイリウムシードガム等サイリウムを含む食品又は添加物によるアレルギーの報告について
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/MHWinfo.nsf/0/6b0f2eacdc1652d7492565f300275200?OpenDocument



エダウチオオバコ (Plantago psyllium)
http://plantdb.ipc.miyakyo-u.ac.jp/php/view.php?plant_id=8132
・・・欧米では以前から、緩下剤として利用されていたようだ


この文献、可溶性食物繊維[soluble fibers] の代表格として、このサイリウムを対象としている。

過敏性腸症候群への可溶性繊維:psyllium  と 非可溶性繊維:branの比較検討

どちらも、1日10gと・・・日本のサプリメント使用に比べ、かなりの量のようだ

Branは耐用性がプラセボ、psylliumに比較して悪く、効果も有意でない。
Psylliumは耐用性がよく、1-2ヶ月めに効果ありという対照的な結果。


Soluble or insoluble fibre in irritable bowel syndrome in primary care? Randomised placebo controlled trial
BMJ 2009;339:b3154
プライマリエンドポイントは、事前2週間症状と比較したときの1、2、3ヶ月後症状改善判定
セカンダリエンドポイントは、IBS症状重症度スコア、腹痛重症度、IBS・QOLスケール

Psylliumは、初月 (57% v 35%; 相対リスク 1.60, 95% 信頼区間 1.13 ~ 2.26)、2ヶ月後 (59% v 41%; 1.44, 1.02 ~ 2.06).は改善比率高い
Branは3ヶ月めにより有効(57% v 32%; 1.70, 1.12 ~o 2.57)だが、統計学的にworst case analysisでは有意差無し


分類が乱暴なような気がする・・・
可溶性繊維は一般的に発酵性で、微生物繁殖の原料となり得、発酵によりnitrogenousな排泄物を利用し、腸内に蓄積すれば発がん性に関与するのだが、これを利用する最近の急激な増殖をもたらすこととなる。短鎖脂肪酸、プロピオン酸、ブチル酸、酢酸を産生し、腸内細胞へ供給される。polar acidの吸収によりナトリウム・水分吸収促進され、水バランスが改善する。ブチル酸は聴細胞のエネルギー源として利用され、プロピオン酸は骨格筋に運ばれ、酢酸は肝臓へ運ばれ、肝コレステロール合成抑制のフィードバック抑制を示す。
viscous fiberという概念 2006-05-25 


食物繊維には種々の物質が含まれ,簡単に定義することは難しいが,ここでは「植物の細胞壁あるいはその成分からなるもの」とする.ただし,細胞壁以外の原料から作られる非澱粉多糖体 (non-starch polysaccharides:NPS)も含まれる.英国では,食物繊維のことを NSP と言うようになっている.食物繊維には可溶性のものと難溶性ものとがある.可溶性のものは食品添加物として用途が広い(増量剤,安定剤,乳化剤等??ペクチン,キサンタンガム,寒天,カラゲナン,アラビアゴム,属植物種子外皮の psyllium 等). 発癌抑制作用が(動物実験で)認められている食物繊維は,不消化性オリゴ糖のような難溶性のものが多い.これら食物繊維は小腸では消化されないが,大腸では細菌叢の酵素の作用で分解される.可溶性食物繊維は大腸で分解される速度が早い.難溶性食物繊維は分解はされるが,速度が遅い.http://www.jpha.or.jp/jpha/jphanews/anzen_news/27.html

by internalmedicine | 2009-08-28 11:07 | 消化器  

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