COPDに対するブデソニドと肺炎リスク メタアナリシス
2009年 08月 31日
COPD患者に対する、ブデソニド投与により、肺炎発生に関して、影響を与えなかった。・・・もともと、ICS 1000μg/日BDP換算程度では肺炎のリスクは考えないで良いという・・・見解もあったのだが、ブデソニドの安全性が確認された。
Budesonide and the risk of pneumonia: a meta-analysis of individual patient data
The Lancet, Volume 374, Issue 9691, Pages 712 - 719, 29 August 2009
安定COPD患者jを対象に、吸入 budesonide (320—1280 μg/日)、 with or without formoterol, versus control regimen (placebo or formoterol alone)
7042名の患者解析、3801名の吸入budesonideと3241名の対照
5212人年暴露治療
肺炎の発生率に関して両群に有意差無かった
・イベントとして肺炎発生: 3% [n=122 patients] vs 3% [n=103]; 補正ハザード比 1.05, 95% CI 0.81—1.37)
・重度イベントとして肺炎発生:1% [n=53] vs 2% [n=50]; 0.92, 0.62—1.35
・肺炎のイベント発生までの期間:log-rank test 0.94
・重度イベントとしての肺炎発生までの期間:〃 0.61
年齢増加、%FEV1減少比率の2つが、有意な副事象・重度副事象イベントとしての肺炎発生と相関
ICS±LABAは、COPDに関して、急性増悪を減少させ、QOLを改善するが、肺炎リスクの増加が考えられていた(N Engl J Med 2007; 356: 775-789.)。
ICSの大規模トライアルで、50%近く肺炎リスクを増加させ、Ernstらの観察研究(Am J Respir Crit Care Med 2007; 176: 162-166.)では、70%ほど肺炎リスクの増加をもたらすという報告がなされた。
メタアナリシス( JAMA. 2008 Nov 26;300(20):2407-16. )によれば、吸入ステイロイドは肺炎リスクを34%増加させるというが、ばらつきが見られた。超過リスクは主にICS/BDP 1000μg/日同等以上で見られるようである。
ブデソニド・ホルモテロール配合剤(海外販売名シンビコート)は、、流通・販売はアステラスで、アストラゼネカはコプロらしい・・・この記事をみると、COPD健保適応は遅れそう・・・アドエアも後から認可だった・・・ので、同じ手順か?
by internalmedicine | 2009-08-31 16:22 | 呼吸器系