乳がん検診に理学所見を追加する意義:見落としは少なくなるが、疑陽性増加

Exicteの方が、だめなようなので・・・こちらに

日本の検診システムってのは・・・ほんとに、いろんな問題がある。

・検診時に見落とし確率の説明がなされてないのは論外
・疑陽性、すなわち、正常なのに引っかけられて、過剰な検査によるコスト・リスク増大という問題が一般に提示されてない。

”近藤理論”などというのが暴走したことがあるが、”がんもどき”という表現はともかく、真実が含まれていることは当時から言われていた。・・・彼の問題はすべてのがんにまで一般化したことと・・・私は思っている。


Barton M, Elmore J "Pointing the way to informed medical decision making: test characteristics of clinical breast examination" J Natl Cancer Inst 2009; 101: 1223-25.

カナダの研究(Ontario Breast Screening Programをベースとした研究)で、マンモグラフィーと理学所見両方行う医療センターは、マンモグラフィー単独より乳がん検出率が高いが、同時に疑陽性を多く生み出す。

9つの地域センターで、マンモグラフィー+理学所見の両施行検診の初期検診感度は94.9%(95% CI 90.1-97.4)で、59のaffiliated centerでは感度 94.6% (95% CI 91.7 to 96.5).

一方、34のマンモグラフィー単独検診施設では、感度 88.6%(95% CI 83.4-92.3)
偽陽性率は、地域センターで、 12.5% (95% CI 12 to 12.9)、affiliated centerでは12.4%(95% CI 12.1 to 12.7)

マンモグラフィー単独での疑陽性率は7.4%(95% CI 7.1 to 7.7)と比べた報告

リスク・ベネフィットを十分に情報提示すべき

検査者の経験・技術が臨床的な理学所見に影響を与え、不適切な拾い上げにて、コスト、リスク、不安を与えることとなる。

167名の訓練された看護師で、高品質マンモグラフィー

乳がん理学所見項目追加にて、1万人検診すると、4名の乳がん発見し、がんの無い9937名が219名疑陽性診断されるということを意味する


触診などの理学所見検診追加二関して、より多くのがんを見つけようとして、コストが急増することとなる。

日本の乳がん検診は、視触診はごく普通に行われているようだが・・・

by internalmedicine | 2009-09-01 15:02 | がん  

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