KYOTO HEART STUDY: Valsartanは非ARBより合併症・死亡率を減らす
2009年 09月 02日
目を引くのが、KYOTO Heart Studyというやつ・・・日本人は食習慣など西洋と違い、BMIも違う、高リスク患者における日本の3つの報告、CASE-J、HIJ-CREATE、JIKEI-Heart Studyがなされ、CASE-Jも、HIJ-CREATEもカンデサルタンは他のアムロジピン・非ARB治療に比べ優越性が示されなかった。JIKEI-Heart Studyでは心血管合併症と死亡率減少が有意であった・・・という序文から始まる。
Sawada T, Yamada H, Dahlof B, et al. Effects of valsartan on morbidity and mortality in uncontrolled hypertensive patients with high cardiovascular risks: KYOTO HEART study. European Heart Journal 2009; DOI:10.1093/eurheartj/ehp363. Available at: http://eurheartj.oxfordjournals.org.(pdf)
3031名の日本人患者(34%女性、平均66歳):コントロールされてない高血圧患者をvalsartan追加か、非ARB治療かをランダム化
フォローアップ期間3.27年
両群ともベースラインで157/88→133/76mHgと低下
非ARB群にくらべ、valsartan add-on armではプライマリエンドポイントが少ない(83 vs. 155; HR 0.55, 95% CI 0.42–0.72, P = 0.00001)という結果
これで、ディオバン優位だな・・・宣伝上は!
さようなら、カンデサルタン・・・! さよなら、経団連企業!
CASE-J・・・なんて、しょうもないトライアルをするから・・・自爆した武田!
1) メインアウトカムに、サブ解析であるはずの、肥満群比較があるのはなぜ?
2) 有意ではないものの・・・という詐欺もどき表現がある。
3)所詮、“非盲検無作為群間比較試験”であり、メーカーがいうほどエビデンスレベルが高くない点
まぁ・・しばらく泣きなさい!
他・・・ACTIVE I(A randomized evaluation of irbesartan versus placebo in patients with Atrial Fibrillation [factorial design of ACTIVE Program])
脳卒中高リスク心房細動患者におけるイルベサルタンとプラセボの比較
JUPITER substudy in the elderly:老人でのクレストール有効性
http://www.escardio.org/congresses/esc-2009/congress-reports/Documents/710007-Glynn-slides.pdf
(http://cardiobrief.org/2009/08/31/jupiter-at-esc-large-absolute-benefit-with-rosuvastatin-in-elderly-patients/)
GISSI-HF:rosuvastatinが心不全患者の新規発症AFを押さえる
European Heart Journal, doi:10.1093/eurheartj/ehp357
B-CONVINCED:急性非代償性心不全でβ遮断剤中止の必要なし
European Heart Journal, doi:10.1093/eurheartj/ehp323
by internalmedicine | 2009-09-02 11:12 | 動脈硬化/循環器