平等拒否社会・米国における心肺蘇生における人種差

米国の公的医療保険制度の民意というのは、私には理解しがたい



http://www.ahip.org/


77%が満足しているもを変える必要はないという反論が当然という、”universal healthcare for all citizens”への異議・・・”共産主義”・”社会主義”と断定し、悪の制度と言い切る人たちの存在・・・

いきすぎた平等主義ってのも弊害があるのもわかるが、最低限、医療の根幹に関わる心肺蘇生くらいは、お金をもってなかろうと、平等であってほしいものだと考えるのだが・・・日本にも、公的医療保険制度を破壊しようとこころみた小泉・竹中体制があった。あの機会に、平等と自由に関する議論がもうちょっと公になされていたら・・・


心肺蘇生における人種差という、クリティカルな問題

Racial Differences in Survival After In-Hospital Cardiac Arrest
JAMA. 2009;302(11):1195-1201.

心室細動・無拍動心室頻拍による心臓突然死10011名のコホート研究(2000年1月1日-2008年2月29日)
退院生存率を主要アウトカムとし、セカンダリアウトカムを初回心肺停止後の蘇生成功、蘇生後生存率とした

1883名の黒人(18.8%)、8128名の白人(81.2%)
生存他院率は黒人で25.2%、白人で37.4%(非補正相対率 [RR], 0.73; 95%信頼区間 [CI], 0.67-0.79).
非補正人種差は患者特性補正後狭小(補正 RR, 0.81 [95% CI, 0.75-0.88]; P < .001) 、入院場所補正後さらに減少 (補正 RR, 0.89 [95% CI, 0.82-0.96]; P = .002)
退院生存率黒人減少現象は、蘇生成功(55.8% vs 67.4% 対白人; 非補正 RR, 0.84 [95% CI, 0.81-0.88])、蘇生後生存率改善l (45.2% vs 55.5% 対白人; 非補正 RR, 0.85 [95% CI, 0.79-0.91])と関連
入院場所補正後の蘇生成功人種差は減少 (補正RR, 0.92 [95% CI, 0.88-0.96]; P < .001) し、蘇生後人種差も減少す (補正 RR, 0.99 [95% CI, 0.92-1.06]; P = .68)




考えてみれば、日本での地域間の、医療体制でも完全な平等はあり得ないわけで・・・平等をあまり叫びすぎると・・・弊害もでてくるだろう。自由と平等のバランスというのは意外と難しいのかもしれない。

by internalmedicine | 2009-09-16 10:41 | 医療一般  

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