パンデミックインフルエンザワクチン施策:早期エビデンスにて考慮
2009年 09月 17日
(http://www.kansensho.or.jp/news/090914soiv_teigen2.html)ってのが出されている。
菅谷先生の意見(【新型インフルエンザ】 タミフル・リレンザ積極治療か? 原則使用せずか? 2009-09-09 )と同様、徹底した抗ウィルス治療の推奨である。
批判がわき上がるだろう。国際的に見て乱用と呼ばれるかもしれないし、耐性ウィルスを増大すると言う批判を受けるかもしれない。
菅谷先生たちはアメリカを失敗例と行っているが・・・米国では昨年の同時期の方が影響が大きい!
をみると、新型インフルエンザが大きな国家的な影響を与えているとは思えない。森を見ずして、木にて判定しているのではないか?・・・そういう疑問がわき上がるのである。具体的死亡例が少数でもあると、メディアとともに暴走する日本の学会というのは言い過ぎか?・・・そういう批判に対して、感情的でなく、理論的説得するこころみをおこなってほしい。。
すなわち、新型インフルエンザはその影響の割に騒がれすぎなのではないかと・・・
http://www.cdc.gov/flu/weekly/
ところで、NEJM誌に"dose-sparing strategy"の必要性を説いている論説が記載された。
治験を早期に行い、その結果を早急に検討して、施策戦略の判断材料とすべきだったのだが・・・うすのろ官僚のために・・・日本は・・・かなり遅れが生じている。なら、米国のearly evidenceをそのまま利用した方がまだましなのでは?・・・too lateで、かつ、中途半端な治験戦略・・・厚生官僚の馬鹿さ加減に・・・いい加減あきれ果てる。
Pandemic Influenza Vaccine Policy — Considering the Early Evidence
www.nejm.org September 10, 2009 (10.1056/NEJMe0908224)
概略として・・・
現在の臨床的予防効果はhemagglutination-inhibition assayとmicroneutralization assayと相関しているとされている。個別病原種により予防閾値決定することは不可能。抗体反応の概略的かつ一致性により国際的な標準化試薬と対照を用い信頼性を確保している。
ワクチン供給不足の現時点で、被接種者を2倍にすることができるという単回投与の利点
2回投与スケジュールより3-4週早く予防効果を見込むという前提で話をすすめることができ、ワクチンプログラムを単純化し、コスト低下をもたらすことができる。
ただ、ベースラインに免疫抑制や高リスクがある場合が問題になる。季節型ワクチンの経験から、年長児、妊娠女性、慢性疾患を有する免疫不全成人ではおおむね非妊娠健康成人と同様であろうと推測。
この考えから標準15μgHA投与がこの群では妥当ではないかと考えられている。
子供の免疫応答は不明。新型インフルエンザの小児の合併症の問題点故、ワクチンを投与すべき一群となっているが、若年小児、9歳未満は、不活化ワクチンの反応性が悪いため、2回投与を推奨したいとのこと。今後の免疫データにより政策が変わるだろう。
生ワクチン+追加不活化ワクチンへの関心、個別年齢群への対応とスケジュールそれと、季節型インフルエンザワクチンとの併用など、考慮すべきことが多い。
by internalmedicine | 2009-09-17 08:43 | インフルエンザ