SSRIと先天奇形:ジェイゾロフトなどで心欠損 多剤投与でリスク増加

Sertraline (ジェイゾロフト)と citalopram で心欠損奇形

妊娠女性の1/5で、うつの影響があり、薬物治療は先天性奇形のような胎児への副事象の可能性がある。
2005年までに、SSRIsに対する多くの研究がなされ、大奇形との関連は見られなかった。
しかし、細菌の研究で、臍帯ヘルニアや頭蓋骨癒合症、心臓欠損などの頻度増加報告がなされているが、SSRI特異的なものかは議論があったが、paroxetine、sertraline、fluoxetine、citalopramの心欠損増加に関しては研究で疑われた。paroxetine使用心欠損のリスクは、2005年US・FDAで警告された経緯があった。

Selective serotonin reuptake inhibitors in pregnancy and congenital malformations: population based cohort study
BMJ 2009;339:b3569

【目的】 妊娠中のSSRIと先天性奇形の関連
【デザイン】 住民ベースのコホート研究
【被験者】 493113人の子供(デンマーク、1996-2003)
【主要アウトカム測定】 Eurocat (European Surveillance of Congenital Anomalies)に従った 大奇形と心臓欠損グループ化
【結果】 SSRIs治療は大奇形と関連せず、例外は心臓中隔欠損(オッズ比 1.99、95%信頼区間 1.13-3.53)
個々のSSRIsに対して、欠損オッズ比は、sertralineに対して 3.25(1.21-8.75)、citalopramに対して 2.52(1.04-6.10)、fluoxetine 1.34(0.33-5.41)

SSRIの1種超の場合は、欠損は 4.70,1.74-12.7

奇形頻度の増加絶対値は低く、たとえば、心臓欠損頻度は、無暴露で 0.5%(2315/493113)で、SSRI処方では0.9%(12/1370)であり、SSRI一つ超使用で2.1%(4/193)

【結論】 妊娠早期のSSRI処方女性の子供に心臓欠損頻度増加、特に、sertralineとcitalopramで多い。
とくに、一つの種類にとどまらないSSRI処方女性の子供で関連が高い。

by internalmedicine | 2009-09-25 09:50 | 精神・認知  

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