慢性硬膜下血腫のburr-holeドレナージ後廃液は安全で、再発減少、死亡率改善させる
2009年 09月 25日
The Lancetの論文の序文から
慢性硬膜下血腫は、老人の多い疾患であり、合併症・死亡率と関連する。一般住民では10万人対5名の頻度で、70歳以上では10万対58という頻度。高齢化のため、例数が増加している。
一般的に治療としては外科的吸引で、神経学的状況の改善がもたらされる。このテクニックとして用いられるのは、used—twist-drill craniostomy (diameter less than 5 mm)、 burr-hole craniostomy (5—30 mm)、開頭術。メタアナリシスにて、Weigelらは、3つのテクニックにて同様の死亡率 (2—4%)であることを示し、craniotymyがcraniostomyに比べ非常に合併症が多く(12·3% vs 3—4%)、twist-drill craniostomyはburr-hole craniostomy (33% vs 12·1%)、開頭術 (33% vs 10·8%)に比べ再発が多い。Burr-hole craniostomyは、血腫部位上を、1つもしくは2つのburr holeにて吸引するもので、世界でもっともなされている手技である。再発理知は5-30%で、これが研究の焦点となっている。
術後ドレナージはburr-hole craniostomyとともに用いるべきかが議論のテーマ。ドレナージの有無で再発率の相違が無いというLaumerらの前向き研究後、、硬膜下腔のドレナージが再発率を少ないというエビデンスが現れ始めている。RCTエビデンスが治療ガイドのために必要とされた。多くの術者はburr-hole evacuationの役割について確信がないままであり、2006年 Society of British Neurological Surgeonsのコミッション研究では多くがドレーンを用いてない。術後ドレナージの効果についての解析したもの。
”穿頭(1~2ヶ所)に加えて血腫排液”が主流らしい
Use of drains versus no drains after burr-hole evacuation of chronic subdural haematoma: a randomised controlled trial
The Lancet, Volume 374, Issue 9695, Pages 1067 - 1073, 26 September 2009
非ドレーン割り当て群では、リンゲル乳酸を満たし、2層に閉鎖する。
ドレーン割り当て群では、ソフトシリコン廃液(外形4.7mm、長さ90cm;pfm Produkte für Medizin AG, Cologne, Germany) を、burr holeを介して硬膜下腔に留置。頭皮切開にて最小5cmはなれてトンネルをだす。ドレーンは48時間重力依存的に廃液し、除去。
ドレーン患者では再発10/108(9.3%)、非ドレーンでは26/107(24%)
6ヶ月後、死亡率はそれぞれ9/105(8.6%)、19/105(18.1%)p=0·042; 95% CI 0·1—0·99)
薬物、手術合併症は両群同様
故に、慢性硬膜下血腫のburr-holeドレナージ後ドレーンを用いることは安全で、再発減少、死亡率改善につながる
by internalmedicine | 2009-09-25 14:48 | 中枢神経