開業医の苦しみ

なにより、”retail clinic”としての役割を果たしている街の開業医(retail clinic・・・という存在 [2009-09-29 15:46 )を撲滅しようとする動きが・・・未だ、くすぶっている。

昨今の病院・医師不足のため、勤務医の過重労働はクローズアップされてき、相対的に、開業医が楽・・・と見なされ、開業医バッシングが続いている。

はたしてそうなのか・・・

勤務医と決定的に違うのは、開業医は、年々経営状況悪化する不況業種・自営業者としての苦しみがあるのだ。

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開業医の過重労働・精神的ストレス


・勤務医の負担・開業医の負担
勤務医の最大の負担は、、「当直」が44.5%、「時間的拘束(当直以外)」が37.7%
開業医では、「夜間・休日診療」は16.0%、「時間的拘束」は28.5%

開業医には、経営負担
・最大の課題は「スタッフの採用」
(これは看護師・理学療法士などの有資格者の確保困難とそのコストなど解説が必要であろう)

「経理・会計」および「税務」、「資金繰り」で、勤務医時代には経験のない経営管理業務が大きな負担

借入金も約半数の開業医が負っており、特に新規開業で、開業5年以内の開業医では、「借入金あり」は85.8%である。さらに医療法人の場合、「借入金あり」の開業医の約9割が個人保証を行っている。(開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査結果
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20090930_21.pdf)



休日当番医や輪番制度、夜間・休日診療所への派遣要請への応需、介護保険認定審査、住民検診、ワクチン接種、学校医業務、産業医業務、行政からの委託業務など地域で果たしている役割は多数ある。

今後、開業医を追い詰めることがあれば、各医療機関外業務への対応はおろそかになるだろう。地方自治団体は、医師会丸投げをしてる部分を自ら負担する覚悟があるべき・・・

retail clinicを撲滅させれば、病院勤務へまた負担が増える。そのことも想像できないような馬鹿役人や政治家は自らが滅びた方がよい。


中小医療機関は経営的に追い込まれている事例
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日医ディリーニュース9/30
妊産婦、出産費負担継続も 一時金の直接払い猶予で 厚生労働省が10月から導入を予定していた出産育児一時金の医療機関への直接払い方式は29日、一部の医療機関に限り半年間実施を猶予されることになった。妊産婦がまとまった現金を手元に用意しなくても出産できるよう新方式を導入したのに、従来通りの費用負担を求められるケースも出てきそうだ。 公的医療保険から医療機関への一時金の入金が従来より遅れて2カ月以上かかる可能性があり、その間の運転資金に窮すると訴えていた中小の医療機関に配慮。直ちに対応が困難な場合は実施猶予を認める。 長妻昭厚労相は29日の記者会見で一部猶予を正式に発表。「診療が立ちゆかなくなる医療機関が出てくる。厳しい選択だったが、熟慮を重ねた末に判断した」と説明した。直接払い方式のスタート2日前に一部猶予を発表したことについて「窓口へのポスター掲示などで周知していくしかない」と述べた。 この発表を受け、妊産婦の間には戸惑いが広がっている。来月中旬に出産予定の会社員(27)は「今になって、数十万円を用意しろと言われたら困る」と不安を隠せない。産休で手取りの給料も減っており、現金は他のことに回したいと強調し「もっと早く知らせてほしかった」と語った。 一方、日本産婦人科医会の神谷直樹(かみや・なおき)常務理事は「産科診療費が収入の7~8割を占める中小の医療機関には、(猶予が認められなければ)深刻な影響が出ていただろう」と指摘。「経済的な負担が増す妊産婦も出てくるだろう。早めに相談してもらい、できるかぎり対応したい」と話した。 赤ちゃん1人当たり38万円支給されている一時金の42万円への増額は、予定通り10月1日から実施される。▽出産育児一時金 国民健康保険や健康保険組合などの加入者や配偶者らが出産した際、各保険から支給される一時金。現在は赤ちゃん1人当たり38万円だが、10月1日からは42万円になる。帝王切開などを除く通常の出産は公的医療保険が適用されないため、一時金支給により出産費用を補てんする形。自公政権が少子化対策のため、2011年3月末までの時限措置として(1)金額引き上げ(2)妊婦が立て替え払いをせずに済むよう各保険から医療機関への直接支払い-の実施を決めていた。       [共同通信]


ごく一部の都市部金満クリニックがまるで開業医の代表のごとく、批判し続けてきた経団連・マスコミ・・・・その印象がまだ市井に残存している。そういす市井の印象が、結果的に、開業医を追い込むことになるだろう。

下手すると、他国にないretail clinic機能という財産をなくすことになる・・・それがわかってない。

by internalmedicine | 2009-10-01 08:56 | 医療一般  

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