インフルエンザ予防： サージカルマスクはN9５マスクに劣らず
2009年 10月 02日
N95なんて、不快で、かつ、高価、しかも皮膚損傷的でさえある。これを常時、医療従事者がつけることは非常識的で、結果、遵守性が低下することさえ考えられる。サージカルマスク使用が、これに比べて非劣性なら、サージカルマスク徹底の方が望ましいだろう。
日本では、さらに変な現象が生じている。元保健所長や、マスコミ出演の馬鹿どもが、マスク不要論など言い放ったせいで、医療機関従事者（ health care personnel (HCP)）にさえマスク防御に懐疑的な人たちが出てきて、ゆゆしき事態となっている。
JAMAのearly releaseとして表題報告が発表された。
オンタリオの三次病院看護師における検査確定インフルエンザ予防に関して、N95に比し、サージカルマスクが非劣性が示された。
2008年9月23日から2008年12月8日まで、478名看護師対象で、446名参入
ランダム割り付けし、225名がサージカルマスク、221名がN95resporator
インフルエンザ感染はサージカルマスク群50名（23.6％）、N95 respirator 48(22.9%)で、絶対的リスク差 -0.73%;95%信頼区間 -8.8 - 7.3%;P=.86で、非劣性限界は -9%で、下限範囲内となっている
マスク議論が今回の新型インフルエンザ流行で何かと話題になったが、パンデミック中、健康医療従事者へのインフルエンザ伝播減少は医療環境を守るために必要であり、患者への伝播防止に役立つ。
マスク以外の前向き戦略、ワクチンや抗ウィルス薬はその利用に限界がある。
多くの国でパンダミック中N95resporatorは供給不足となり、利用不能となっている。
故に、個人の呼吸器防御装備の有益性の理解が重要である。しかし、呼吸器系防御装具の検討研究が少なかった。そして、N95 respiratorに対するサージカルマスクの有益性のデータが乏しかった。
厚労省は、少なくとも医療機関における、マスク防御の有益性に関する啓発について徹底してほしい
上記論文のエディトリアル・・・
インフルエンザ伝播呼吸器系予防（マスク予防など）の役割に関する議論は今後も続くだろうが、少なくとも、サージカルマスクを患者やHCPのインフルエンザ予防のために使用しなかった場合いいわけは効かなくなった。
あの元保健所長・・・どういういいわけをする！
日本では、さらに変な現象が生じている。元保健所長や、マスコミ出演の馬鹿どもが、マスク不要論など言い放ったせいで、医療機関従事者（ health care personnel (HCP)）にさえマスク防御に懐疑的な人たちが出てきて、ゆゆしき事態となっている。
マスク予防問題：一人のお馬鹿の発言を利用してミスリードする産経新聞 2009-05-21
マスク不要論のみが突っ走るご時世：CDCや政府・関係学会提言に反して・・・ 2009-05-25
JAMAのearly releaseとして表題報告が発表された。
オンタリオの三次病院看護師における検査確定インフルエンザ予防に関して、N95に比し、サージカルマスクが非劣性が示された。
Surgical Mask vs N95 Respirator for Preventing Influenza Among Health Care
Workers: A Randomized Trial
Mark Loeb; Nancy Dafoe; James Mahony; Michael John; Alicia Sarabia;
Verne Glavin; Richard Webby; Marek Smieja; David J. D. Earn; Sylvia
Chong; Ashley Webb; Stephen D. Walter
JAMA published 1 October 2009, 10.1001/jama.2009.1466
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/2009.1466v1?etoc
2008年9月23日から2008年12月8日まで、478名看護師対象で、446名参入
ランダム割り付けし、225名がサージカルマスク、221名がN95resporator
インフルエンザ感染はサージカルマスク群50名（23.6％）、N95 respirator 48(22.9%)で、絶対的リスク差 -0.73%;95%信頼区間 -8.8 - 7.3%;P=.86で、非劣性限界は -9%で、下限範囲内となっている
マスク議論が今回の新型インフルエンザ流行で何かと話題になったが、パンデミック中、健康医療従事者へのインフルエンザ伝播減少は医療環境を守るために必要であり、患者への伝播防止に役立つ。
マスク以外の前向き戦略、ワクチンや抗ウィルス薬はその利用に限界がある。
多くの国でパンダミック中N95resporatorは供給不足となり、利用不能となっている。
故に、個人の呼吸器防御装備の有益性の理解が重要である。しかし、呼吸器系防御装具の検討研究が少なかった。そして、N95 respiratorに対するサージカルマスクの有益性のデータが乏しかった。
厚労省は、少なくとも医療機関における、マスク防御の有益性に関する啓発について徹底してほしい
上記論文のエディトリアル・・・
Respiratory Protection Against Influenza
Arjun Srinivasan, MD; Trish M. Perl, MD, MSc
JAMA. 2009;302(17):(doi:10.1001/jama.2009.1494).
while the debate over the role of respiratory protection in preventing influenza transmission will continue, neither the ongoing discussion nor the need for more research should excuse anyone from failing to implement other measures that are known to protect patients and HCP from influenza.
インフルエンザ伝播呼吸器系予防（マスク予防など）の役割に関する議論は今後も続くだろうが、少なくとも、サージカルマスクを患者やHCPのインフルエンザ予防のために使用しなかった場合いいわけは効かなくなった。
あの元保健所長・・・どういういいわけをする！
by internalmedicine | 2009-10-02 08:21 | インフルエンザ
