脳の成長に関わるGSK-3遺伝子:統合失調・双極性感情障害などと関連


成長する脳、神経幹細胞は、2つの鍵プロセス、増殖と分化の微妙なバランスが関係する。増殖が早すぎるとコントロールが効かず、腫瘍となる。また増殖が少なすぎれば、脳の神経のニューロン形成のための数十億の細胞が不足する。

l Nature Neuroscience (10月4日号、NeuroScience)にて、North Carolina ( Chapel Hill School of Medicine)の研究者たちが、単一遺伝子である、GSK-3が大きな役割を果たすことを明らかにした。

GSK-3 is a master regulator of neural progenitor homeostasis
Woo-Yang Kim, Xinshuo Wang, Yaohong Wu, Bradley W Doble, Satish Patel, James R Woodgett, William D Snider
Nature Neuroscience (4 October 2009) doi:10.1038/nn.2408



GSK-3は、脳を構成するニューロンのend upを決定するシグナルである。
GSKと統合失調症、うつ、双極性感情障害などと関連する可能性がある。

統合失調症に関連する遺伝子の一つは、GSK-3を用いて、神経細胞へ影響を間接的に与えている用である。加えて、リチウムは、双極性感情障害に茂市いられるが、GSK-3をshut downする働きがある。神経幹細胞への劇的役割が想起されるのである。

by internalmedicine | 2009-10-05 09:28 | 精神・認知  

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