ビタミンDサプリメントにて転倒リスク低下

ビタミンDサプリメント使用は確かに転倒リスクを減少させるが、ある程度の血中濃度が担保されてないと無意味、活性ビタミンD投与は効果はありそう・・・というお話


Fall prevention with supplemental and active forms of vitamin D: a meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2009;339:b3692  1 October 2009, doi:10.1136/bmj.b3692


65歳以上の老人にビタミンD(cholecalciferol)、vitamin D2(ergocalcifero)、活性型ビタミンD(1α-hydroxyvitamin D3(1α-hydroxycalciferol)、1,25-dihydroxyvitamin D3(1,25-dihydroxycholecalciferol)投与の二重盲検ランダム化対照トライアル

ビタミンDサプリメント 8つのRCT(n=2426)がクライテリアに合致
HeterogeneityはビタミンD(700-1000 IU/d vs 200-600 IU/d;p=0.02)、25-OH-Vit D3濃度(<60 nmol/l v ≥60 nmol/l; P=0.005)で見られた。


高用量ビタミンDは19%転倒リスクを減少(プール化相対リスク (RR) 0.81, 95% CI 0.71 ~ 0.92; n=1921 :7トライアル)
血中25ヒドロキシビタミンD 60 nmol/l 以上到達した場合に23%転倒減少(プール化 RR 0.77, 95% CI 0.65 ~ 0.90)

転倒は、低濃度サプリメントビタミンD投与(血中 25-OH-Vit. D 60 nmol/l未満)では減少できず(プール化 RR 1.10, 95% CI 0.89 ~ 1.35; n=505:2トライアル)

ビタミンD活性体の2つのランダム化対照トライアル(n=624)は参入クライテリアに合致
活性ビタミンDは22%転倒リスクを減少 (プール化 RR 0.78, 95% CI 0.64 ~ 0.94)



ビタミンDに関しては・・・
今、その時?:COPDの骨外ビタミンD作用 ・・・ 期待 2009年 04月 18日
ビタミンDの非椎体骨折予防効果の証明:用量依存的で、ビタミンD血中濃度増加が必要 2009年 03月 25日
ビタミンD濃度基礎値と死亡率コホート 2008年 06月 24日
ENDO:ビタミンD値正常化は減量に役立つ 2009年 06月 16日
親の15%が幼児にサプリ 過剰摂取「有害の恐れ」 :行政・メディアの意図的?不作為 2009年 07月 06日



過剰投与にならないよう配慮が必要である。

by internalmedicine | 2009-10-06 15:35 | 運動系  

<< インフルエンザ・マスク議論結論... キトサンがバルプロ酸濃度を減少... >>