常在糸状虫感染へのdoxycycline投与トライアル
2009年 10月 08日
M. perstans は、標準抗フィラリア治療に耐性で、多くのフィラリア種で、細菌的内部共生(bacterial endosymbionts (e.g., wolbachia))が見つけられ、M. perstansを含む場合にmicrofilaremia減少のための、新しい治療オプションとして考えられている。
A Randomized Trial of Doxycycline for Mansonella perstans Infection
N Engl J Med. Vol. 361:(15) 1448-1458 Oct. 8, 2009
オープンラベルのランダム化対照治験で、W. bancrofti 感染の有無にかかわらず
doxycycline 200 mg/d 6週間(106名)、非治療(110名)に割り付け、6ヶ月後、二次ランダム化を行い、1回投与 albedazole 400mgと ivermectin 150μ/g/BWと無治療割り付け
6週間を副事象モニター
M. perstansとW.bancroftiを6,12,36ヶ月で評価
12ヶ月時点で、doxycyline治療群 67/69名がM. Perstans microfilariaeを検知せず(血液サンプル 60μL)、対照は無治療10/63(16%)
相対リスク, 6.18; 95% 信頼区間 3.63 ~ 11.89; P<0.001
doxycycline単独群36ヶ月で、M. perstans microfilaremiaは48/64名(75%)で、doxycyclineの効果は持続
嘔吐がdoxycyline治療群で多い (17% vs. 4%)
常在糸状虫、Mansonella perstansは、中央・西アフリカで流行し、バンクロフト糸状虫、Loa loa、回旋糸状虫とoverlapする。Culicoides種のような感染小昆虫に噛まれ、M .perstansは月内経過で成虫になり、後腹膜・腸間膜・腔内に存在することとなる。
Microfilariaeは血流で運ばれ、L. loa や W.bancroftiと小サイズであること、周期性が無く、鞘がないため、区別困難である。
M. perstans感染は多くはsubclinicalであるというのだが、実は、症状が多岐に及ぶためかもしれない。血管性浮腫、沿うよう、発熱、頭痛、関節痛、serositis、神経学的症状など・・・
by internalmedicine | 2009-10-08 16:34 | 感染症