国際統一メタボリック診断基準:ウェスト径基準の地位低下と径各国基準容認

Circulation 10月5日 online号にて、International Diabetes Federation (IDF)、National Heart, Lung、Blood Institute (NHLBI)、 World Heart Federation、International Atherosclerosis Society、American Heart Association (AHA) のステートメント発表

Alberti KG, Eckel RH, Grundy SM, et al. Harmonizing the metabolic syndrome. A joint interim statement of the International Diabetes Federation Task Force on Epidemiology and Prevention; National Heart, Lung, and Blood Institute; American Heart Association; World Heart Federation; International Atherosclerosis Society; and International Association for the Study of Obesity. Circulation 2009; 120:1640-1645.



Three abnormal findings out of 5 would qualify a person for the metabolic
syndrome.
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①ウェスト径(住民・国毎基準)、②TG≧150 mg/dL、③男性 HDL <40 mg/dL、女性 HDL <50 mg/dL、④収縮期血圧 ≧130 mmHg and/or 拡張期血圧 ≧85 mmHg、⑤空腹時血糖 ≧100 mg/dL ・・・・の3つ以上有れば該当という基準に変わり、ウェスト径偏重ではなくなった。
そもそも、メタボリックシンドローム基準は、ウェスト系測定の定義による腹部肥満でばらつきがあり、IDFとATPIII定義に相違があり、ウェスト系について2群で8cmもの差があった。そして、ウェスト径増加クライテリアは集団毎、国毎に定義づけられ、流動的である。

この問題は今後の課題でもある

ウェスト径を心疾患・糖尿病への付加的リスクとして考えたとき、地域的相違が確かにあることはたしかであり、今回はこれを追認した形。

新しい定義は異なる地理的状況に依存し、国毎に異なることを容認し、ウェスト径に関連する自身のデータベースで掘り下げることを容認したもの

IDFはメタボリックシンドローム定義時ウェスト径増加を必須と考えていたが、ATPIIIはそうではなかった。
ウェスト径は、ウェスト径、トリグリセリド増加、HDLコレステロール低下、血圧増加、空腹時血糖増加の5つのクライテリアの一つに過ぎない。

容認された、腹部基準
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ウェスト周囲径必須の、日本のメタボリックシンドローム基準・・・さてどうする
http://www.imcj.go.jp/topics/metabolic/definition.html

厚労省・御用科学者たちは、所詮、外国のことと・・・・また、突っぱね、日本独自の”メタボ”分化を守り、日本の予防医学をガラパゴス化させるつもりだろうか?


っすがと思うのだが、この専門家たちは、雲行き怪しい腹囲偏重主義に対する批判の先鞭をつけていて、厚労総内部といえる研究班で議論がなされている(メタボ「腹囲」偏重に異議…厚労省研究班「関連強くない」 2009年 03月 01日)。

さすがに、情報だけははやく、機敏な対応・・・というところか


今回も、金井雅利氏のご意見を賜りたいところである。・・・マスコミさんがんばってコメントをとってきてください。


cf)メタボリックシンドロームの危うさ・怪しさ 2006年 05月 09日

by internalmedicine | 2009-10-09 14:44 | 動脈硬化/循環器  

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