国際統一メタボリック診断基準:ウェスト径基準の地位低下と径各国基準容認
2009年 10月 09日
Alberti KG, Eckel RH, Grundy SM, et al. Harmonizing the metabolic syndrome. A joint interim statement of the International Diabetes Federation Task Force on Epidemiology and Prevention; National Heart, Lung, and Blood Institute; American Heart Association; World Heart Federation; International Atherosclerosis Society; and International Association for the Study of Obesity. Circulation 2009; 120:1640-1645.
Three abnormal findings out of 5 would qualify a person for the metabolic
syndrome.
①ウェスト径(住民・国毎基準)、②TG≧150 mg/dL、③男性 HDL <40 mg/dL、女性 HDL <50 mg/dL、④収縮期血圧 ≧130 mmHg and/or 拡張期血圧 ≧85 mmHg、⑤空腹時血糖 ≧100 mg/dL ・・・・の3つ以上有れば該当という基準に変わり、ウェスト径偏重ではなくなった。
そもそも、メタボリックシンドローム基準は、ウェスト系測定の定義による腹部肥満でばらつきがあり、IDFとATPIII定義に相違があり、ウェスト系について2群で8cmもの差があった。そして、ウェスト径増加クライテリアは集団毎、国毎に定義づけられ、流動的である。
この問題は今後の課題でもある
ウェスト径を心疾患・糖尿病への付加的リスクとして考えたとき、地域的相違が確かにあることはたしかであり、今回はこれを追認した形。
新しい定義は異なる地理的状況に依存し、国毎に異なることを容認し、ウェスト径に関連する自身のデータベースで掘り下げることを容認したもの
IDFはメタボリックシンドローム定義時ウェスト径増加を必須と考えていたが、ATPIIIはそうではなかった。
ウェスト径は、ウェスト径、トリグリセリド増加、HDLコレステロール低下、血圧増加、空腹時血糖増加の5つのクライテリアの一つに過ぎない。
容認された、腹部基準
ウェスト周囲径必須の、日本のメタボリックシンドローム基準・・・さてどうする
http://www.imcj.go.jp/topics/metabolic/definition.html
厚労省・御用科学者たちは、所詮、外国のことと・・・・また、突っぱね、日本独自の”メタボ”分化を守り、日本の予防医学をガラパゴス化させるつもりだろうか?
っすがと思うのだが、この専門家たちは、雲行き怪しい腹囲偏重主義に対する批判の先鞭をつけていて、厚労総内部といえる研究班で議論がなされている(メタボ「腹囲」偏重に異議…厚労省研究班「関連強くない」 2009年 03月 01日)。
さすがに、情報だけははやく、機敏な対応・・・というところか
今回も、金井雅利氏のご意見を賜りたいところである。・・・マスコミさんがんばってコメントをとってきてください。
cf)メタボリックシンドロームの危うさ・怪しさ 2006年 05月 09日
by internalmedicine | 2009-10-09 14:44 | 動脈硬化/循環器