エコナ、6年前から危険性指摘

エコナ、6年前から「危険性」指摘 産経 2009.10.11 23:03(魚拓)

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 消費者の「特保」への信頼を損なう結果となった「エコナ問題」。早稲田大スポーツ科学学術院の鈴木正成教授(運動栄養学)は「企業が都合のよいデータばかり選んで提出するなど、特保の審査には問題点が多かった。消費者庁には思い切った制度の見直しを図ってほしい」と指摘している。



「エコナ」に有害性が直接証明されたわけではない。その上に、花王は、DAGはラットや犬などで長期安全性が担保されたと主張してる。
Safety assessment of diacylglycerol oil as an edible oil: a review of the published literature.
Food Chem Toxicol. 2009 Jan;47(1):9-21. Epub 2008 Sep 23.


故に、花王としては、”DAGの問題でなく、生成過程の生産物混入物が直接の問題として、この混入を防げば、問題なしという主張で・・・乗り切ろう”と考えているのだろう。明確な有害性がない以上、いわれ無き誹謗中傷・・・という花王側の主張

だが、それですむのだろうか? 

長期反復と、ヒト特有の副事象への不安は払拭できてない。

「健康」というフレーズ、「特定健康食品」という立場で、喧伝し続けたことの責任をとるべきである。



「特保」製品の有効性・安全性証明の限界と、実際の「特保」許認可の仕組みを一般にわからせる良い機会なのに、テレビというメディアは「健康エコナ」という問題を真正面からとりあげない。

この段階に来て、やっと、新聞が取り上げつつある・・・段階

国が健康によいというものは、「通常の健康食品より有効性がすぐれ、かつ、安全性の長けているという客観的エビデンス」がなければ認めてはいけないと思うのだが、そこに、現実との乖離があるのだ。そもそも、特保認定の仕組みが科学的でなく、統計学上の有効性だって、全く無効なものでも20のトライアルを行えば1つトライアルで有効性があるのが普通である。乱暴にいえばAという会社が20ものトライアルを行い、たまたま出た有利なトライアルで、有効性・安全性に優位なデータのみを世間にだせば特保獲得可能なシステムなのである。医学・生物学の世界では、メタ分析や系統的分析がなされているのだが、そういうことに知識の内人たちだけが、烏合のごとくあつまり、表面上の権威だけで、特保のラベルを行っているそういう現状こそ問題なのだ。

特保という仕組みは、本来科学的に確証のない食品、長期安全性が担保されてない食品に、厚労省”(今は消費者庁)という国のお墨付きをもらい、付加価値をつけて、髙くで国民に売りつけているのである。



エコナ問題の整理を試みる
1)体内で分解後の発がん性物質の「グリシドール」の問題
今回、問題になっているのはエコナに含まれる成分「グリシドール脂肪酸エステル(エステル)」。油のにおいを抜く過程で出る不純物で、海外では乳幼児用粉ミルクなどにも含まれている。


2)DAGの長期使用安全性の担保不足(発がん性の否定を含む)

3)特定保健用食品(特保)許可の問題と、引き起こされる特保への不信感の累積

・企業提出データのみを根拠とした許可制度
・出版バイアスや企業に都合の良いデータのみの引用などは、真に科学的といえるか?


4)特保のコマーシャル利用
・厚生労働省から表示が許可されている→ミスリードを生みがちな文言を黙認する総務省・厚労省
・人間ドック学会という学術団体もどきの推奨があったが、その社会的責任は?



不純物を除去しましたよ・・・で、そのまま、特保復帰では、特保そのものへの疑惑・疑念は払拭されない。この問題を厚労省・消費者庁は世間に知らしめるべき

by internalmedicine | 2009-10-12 09:51 | くそ役人  

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