CPAP治療アドへランス改善目的短期インフォメーションプログラムの有効性

CPAP治療は、器具との相性、設定の不具合、皮膚合併症など、継続に問題が生じる場合がある。それとは別に単にその意義を見いださなくなる、不安感や不信が増加し、アドへランス低下につながる。

患者治療モチベーションを上げるインフォメーションプログラムが必要であろう。

Adherence to Continuous Positive Airway Pressure Therapy for Obstructive Sleep Apnea: Impact of Patient Education after a Longer Treatment Period
Respiration (DOI: 10.1159/000243161)


背景: Continuous positive airway pressure (CPAP) は閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)」標準治療だが、CPAP治療へのアドへランスに限界があるというのが問題
目的: 治療長期経過後のOSA患者への教育的介入付加後のCPAP治療のアドへランス
方法: 兆候・影響・治療の多くの局面をカバーする短期患者インフォメーションプログラム、標準化インフォメーションプログラムセッションを、ドイツの患者サポート学会参加者向けに、熟練睡眠専門医師が作成
レクチャーの必須インフォメーションを含む冊子を受け取り、526のランダム千タックメンバーにメールで匿名化アンケートを受けさせ返信させる
CPAP患者のうち、介入群として、243名レクチャー参加者で冊子を受け取り、対照群としてレクチャーを受けてないものとした

結果: 介入群であるインフォメーション群では、有意にCPAP装置の日々使用率が高い (5.7 ± 1.3 h/day; p < 0.001)。
さらに、ESSは有意にインフォメーション群で低かった (median ESS = 6, interquartile range, IQR, 4-8 vs. median = 11, IQR 8-13; p < 0.001)

結論: 短期インフォメーションプログラム参加患者は日々使用率増加と昼間眠気低下をもたらした。
これらの結果は、長期CPAP治療経験患者でも教育イベントの有効性を示した。



ところで、来年の診療報酬改訂要望に、CPAP治療未受診未払い問題改善があげられていると聞いた。患者側の性善的前提で診療報酬体系ができてるため・・・結局はその分誰かがわりを食う。現場経験のない馬鹿官僚たちには患者アドへランスの悪さなんて念頭にないのだろう・・・矛盾だらけの診療報酬制度

by internalmedicine | 2009-10-15 09:07 | 呼吸器系  

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