重症新型インフルエンザ: 造影CT上、肺塞栓所見多しとの報告
2009年 10月 15日
人工呼吸必要な重症新型インフルエンザでは肺塞栓がめだつとの話
Agarwal PP, et al "Chest Radiographic and CT Findings in Novel Swine-Origin Influenza A (H1N1) Virus (S-OIV) Infection" Am J Roentgenology 2009; DOI:10.2214/AJR.09.3599.
the American Journal of Roentgenology Oct. 14 issue
ICU入院中の患者で、造影CTにて、肺塞栓 5/14例みつかったとのこと
University of Michigan Health System 66名の(5月1日から7月18日)後顧的解析
2群に分け、14名がICU人工換気必要で、52名が行われなかったもの
前者群は5名が死亡し、後者群では死亡者なし
人工換気必要な患者は、平均43.5 vs 22.1歳で、高齢( P=0.000002)
前者群 11/14が男性で、対照群は25/52であった。
前者群レントゲン所見は14名全例に異常あり、後者群は14/52(27%)
全部では初回レントゲン正常は58%
異常は両側が20/28で、14名全例が人工換気必要
Extensive disease、zone3つ以上の異常群は、ICU群で93%、後者群では9.6% P<0.001
後者群では、肺病変部位20%超の改善が見られた
主な所見は、patchy consolidationで、半数の患者でみられ、どちらの群も7例であった。
スリ硝子様opacitiesや、コンソリデーションの混合性所見が2つめの最も多い所見で、25%ずつ見られた。
全体的にみると、15名でCTスキャン検査し、人工呼吸10例、残りの患者では5例で行った。
CTスキャンでは肺塞栓が人工呼吸5例
1例は大きなsaddle embolus が主肺動脈分岐部に見られた
2名には区域性の塞栓、残り一人は亜区域性塞栓が見られた
2名には下肢静脈の深部静脈血栓あり
後者群の1名は正常のレントゲンで塞栓が疑われた
by internalmedicine | 2009-10-15 12:21 | インフルエンザ