親のワクチン拒否にどう対応するか!

どこの国も反ワクチン運動によりそそのかされたワクチンへの懐疑、疑念が市井に漂っているようだ。

日米で決定的に違うのは、米国のまともなメディアは、奇異な意見に対しては、必ず、権威ある専門家の主張をカウンターパートとして提示することである。
ところが、日本では、出版部数の多い新聞社でも、反ワクチン運動の扇動に乗って一方的に有害性を強調し、”前橋リポート”のような取るに足らない報告を金科玉条のごとく扱い無益性をあおっている。

出版部数2番目といえども、Quality Paperではないという証明なのだろうが・・・

なりを潜めていた朝日新聞のアンチ・ワクチンキャンペーン、形を変え、2009年9月29日朝日新聞31面「検証昭和報道」として、芽ぶいている。元国立公衆衛生院感染症室長、母里啓子氏を浜六郎氏の代替として反ワクチングループの旗手としてご指名しているように思える。朝日新聞系週刊誌AERA 2009年10月26日号で、その準備完了というところだろう・・・

インフルエンザ対策真っ最中のこの時期に、世に混乱をもたらそうとするのは・・・朝日新聞の常套手段なのか?

彼らの今の主張は、”日本のワクチンはスプリットワクチン”で水のようなもの、”87年の『前橋リポート』”・・・前者に対しては、今回のワクチンも一応接種者に抗体価の増加を確認していることで反論、「前橋リポート」を今頃取り上げることで馬鹿さ加減がわかる(参照:今年も、反インフルエンザワクチン記事の季節となりました 2005年 10月 03日

変幻自在の浜六郎氏に比べると稚拙と思え・・・と書いたら怒られるか。


米国の小児科医の集会でひとりの医師が反ワクチン的スタンスの親にどう接するかのプレゼンテーション

ワクチン拒否者について 2009年 05月 07日
はしか:”現状は世界の恥” : 日本の世相・メディアによる健康被害の実例 2007年 05月 09日
根拠無き反ワクチン・キャンペーンがどの程度の有害性を国民にもたらすか? 3-8万人の死者を生む 2005年 01月 17日


AAP: Doc Suggests 'Firing' Patients over Refusal to Vaccinate
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAP/16543?utm_source=twitter&utm_medium=twitter&utm_campaign=twitter
もし両親が子供へのワクチンを拒否したとき、親として、患者としての子供をdismissするのは倫理的・合法的で、小児科医のひとりがアメリカの小児科学会会合で語った・・・と、Medpage記載

Marshallは、今も継続する、エンドレスなフラストレーションを伴う、ワクチンを希望しない、その理由は、自閉症を起こすのではないかというもの

しかし、多くの研究ではワクチンと自閉症のリンクがないと示されている。1998年のBritish Studyの筆者筆頭者は自閉症とのリンクありという結論に至ったデータのねつ造を謝罪している。
科学にて指示されてないのにかかわらず、celebrityや反ワクチングループはメディアに関心を向けさせ、親に影響を与え続けているという状況が続いている。

確かに、ワクチンを受けることは100%安全ではない。MMRの場合年間2000名の子供あたり1名が熱性痙攣を生じている。
いかに包括的にリスクを比べるか、probabilisticallyに人々は考えることはできない。信念を持ち、論理的に考えることはできない。
Marsharはワクチン施主希望しない両親を説得するtipsを提供している。
・早期に 妊娠者を対象にグループセッションを開き、ワクチンの重要性を強調する
・患者に本を与える "Autism's False Prophets: Bad Science, Risky Medicine, and the Search for a Cure," (Paul Offit, MD著)をMarshallは推薦
・Fight fire with fire. 情熱をもって対せよ 反ワクチン運動は両親に、心をうつストーリー、子供の死や病態を説明して共感をもって心を動かす。



ワクチン拒否者への対応はNEJMでも議論されている。
Vaccine Refusal, Mandatory Immunization, and the Risks of Vaccine-Preventable Diseases N Engl J Med. Vol. 360:(19) 1981-1988



それにしても、ワクチン接種する医療関係者にも、今回の新型インフルエンザワクチンに対する懐疑が広がっていることは懸念のすべきことだと思う。

現在はWHOとしては・・・
” Influenza vaccines are one of the most effective ways to protect people from contracting illness during influenza epidemics and pandemics.”
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/frequently_asked_questions/vaccine_preparedness/en/index.html


気になる記事・・・
米国オレゴン州で飼い主(ヒト)からフェレットferretへ新型インフルエンザH1N1ウイルスが自然に伝染し、フェレットが重症の呼吸器症状を呈した事例が報告されました。動物は回復しています。ポートランド市の獣医の診察を受けた日:2009年10月5日 RT @TweetMedmail

https://twitter.com/swineflujpn/status/5051727267

by internalmedicine | 2009-10-22 09:19 | インフルエンザ  

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