膝蓋大腿関節症(PFPS)の運動療法
2009年 10月 23日
Patellofemoral Pain Syndrome: A Review and Guidelines for Treatment
AAFP
定義として、” retropatellar or peripatellar pain resulting from physical and biochemical changes in the patellofemoral joint.”
骨軟化症と鑑別すべきで、運動性不安定と膝蓋軟骨にダメージを与える病態となる。
PFPSを有する患者は膝前部の痛みを有し、これは運動時生じ、しばしば階段を下りるときや山を下りるときに生じる。原因・治療に関するコンセンサスは得られてない。
Supervised exercise therapy versus usual care for patellofemoral pain syndrome: an open label randomised controlled trial
BMJ 2009;339:b4074, doi: 10.1136/bmj.b4074 (Published 20 October 2009)
パフォーマンス個別化・理学療法士superviseの標準運動プログラム6週間、3ヶ月居宅運動指導
対照群は、通常ケア割り当てで、安静による”wait and see"アプローチで、慰め
プライマリアウトカムは、フォローアップ3ヶ月、12ヶ月後の自己報告回復(7ポイントLikert scale)、安静時疼痛、運動時疼痛(0-10ポイント数値化スケール)、機能(0-100 point Kujala patellofemoral score)
総数 131名参加、介入群65名、対照群66名
3ヶ月後、介入群は対照群より安静時疼痛 (補正差違 –1.07, 95% 信頼区間 –1.92 ~ –0.22; effect size 0.47)、運動時疼痛 (–1.00, –1.91 ~ –0.08; 0.45)、機能改善(4.92, 0.14 ~9.72; 0.34).
12ヶ月後、介入群の効果は持続疼痛(補正差違 安静時疼痛 –1.29, –2.16 ~ –0.42; effect size 0.56; 運動時疼痛 –1.19, –2.22 から –0.16; effect size 0.54)、しかし機能的には差認めず(4.52, –0.73 to 9.76).
対照群より運動群の患者の方が回復比率が高い (41.9% v 35.0% :3 ヶ月 、62.1% v 50.8% :12 ヶ月)
しかし、回復自己報告差は2群で統計学的に有意でない。
事前定義サブグループ解析にて、スポーツ医による介入によるベネフィット差無し(n=30)
しかし、GP(n=101)による改善は臨床的に疼痛・機能において有意であった
この論文、最後に落ちがついてる(笑)
”サンプルサイズ”を、筆者であるスポーツ医はいいわけとしてあげている。
疼痛、機能は改善するが、主観的な改善自覚は少ないようだ・・・患者満足度に結びつかない理由は何なのだろう?患者への効果提示不足によるものだろうか?
外的要素が関与している可能性がある。
by internalmedicine | 2009-10-23 10:33 | 運動系