心機能温存虚血性心疾患患者のACE阻害剤、ARBs比較

虚血性心疾患患者への標準治療は、アスピリン、β遮断剤、それとリスク要素へのaggressive modificationである。ACE阻害剤やARBを、心不全患者・心室機能障害を有する心筋梗塞へ投与することの有益性は確立しているが、機能温存型患者への使用の効果は不明

以下のシステミックレビューにて、ACE阻害剤の有効性がみとめられた。併用は、ACE阻害剤単独比較では、有害性増加なわりには有益性改善せずという結論

Systematic Review: Comparative Effectiveness of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors or Angiotensin II–Receptor Blockers for Ischemic Heart Disease
Ann Int. Med. October 20, 2009, 151 (8)


虚血性心疾患・左室機能温存患者は、標準治療にかかわらず、合併症・死亡に影響を与える。ACE阻害剤、あRB、併用に関するbenefit、harmの比較

41の研究が適格
中等度・高度エビデンス(7トライアル、32559名)にて、ACE阻害剤は、総死亡率 減少(RR, 0.87 [95% CI, 0.81 ~ 0.94]) 、非致死的心筋梗塞減少(RR, 0.83 [CI, 0.73 ~ 0.94]) するが失神 (RR, 1.24 [CI, 1.02 to 1.52]) ・咳嗽(RR, 1.67 [CI, 1.22 ~ 2.29])リスク増加

弱強度エビデンス(1トライアル、5926名被験者)で、ARBsは、心血管死亡率、非致死的心筋梗塞、卒中組み合わせリスク減少 (RR, 0.88 [CI, 0.77 ~ 1.00])、だが、個別要素では認めない

中等度強度エビデンス(1トライアル、25620名被験者)で、ACE阻害剤単独に比較して、併用では、類似した死亡率(RR, 1.07 [CI, 0.98 ~ 1.16])、心筋梗塞 (RR, 1.08 [CI, 0.94 ~ 1.23]) だが、低血圧 (P < 0.001) 、失神中止リスク (P = 0.035) 増加


http://www.annals.org/content/early/2009/10/19/0003-4819-151-12-200912150-00162/F2.large.jpg

by internalmedicine | 2009-10-30 12:19 | 動脈硬化/循環器  

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