COPE II 研究:COPD急性増悪自己治療のコスト効果

慢性閉塞性肺疾患 (COPD) はその有病率と頻度増加している。1年間の急性悪化に基づく自己治療が検討され、コスト効果解析が検討された。

(Cost)-effectiveness of self-treatment of exacerbations on the severity of exacerbations in patients with COPD: the COPE II study
Thorax. Published Online First: 6 September 2009. doi:10.1136/thx.2008.112243
Effing, T, Kerstjens, H, van der Valk, P, Zielhuis, G, van der Palen, J
【被験者・方法】 2時間の自己マネージメントセッション割り付け、急性増悪自己治療訓練有無ランダム割り付け、自己治療群はプレドニゾロン開始(±抗生剤)開始に関してaction plan
フォローアップ期間中日々症状日記をつけさせ、急性増悪回数、急性悪化日数と平均日々重症度スコアを計算

【結果】 142のランダム化(自己治療: n = 70; 対照: n = 72)
急性増悪回数を2群で平均(SD) 3.5(2.2)回
自己治療群では急性悪化日数少ない(中央値 自己治療群 31 (interquartile range (IQR) vs 対照群 40 (IQR 13.3–88.2) ; p = 0.064); 群間差は年間急性悪化数で有意t(>137 (全研究対象住民90パーセンタイル); p = 0.028).
急性増悪日重症度スコアは両群同等
HRQOLに差違認めず。
コスト効果解析にて、自己治療適応で154ユーロドル/患者saveする、入院確率の低下(自己治療 0.20/人/年 vs 対照 0.33/人/年; p=0.388)
医療受診を減少 自己治療(自己治療 5.37/人/年 vs 6.51/人/年; p = 0.043).

【結論】急性増悪自己治療導入は急性悪化日数を減らし、コスト低下をもたらす



日本でも、COPD急性増悪の自己治療というか、あらかじめ抗生剤+ステロイド処方というのは・・・practicalになされていると思う。喘息などでも、beta2 stimulant on demandで使用が許されているわけだから・・・おおっぴらに議論されても良いと思う。

by internalmedicine | 2009-10-30 14:45 | 呼吸器系  

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