新型インフルエンザ2009A1H1 :オーストラリアの総括? ・・・ 騒ぐほどの影響はなかった?

オーストラリアの状況(http://www.healthemergency.gov.au/internet/healthemergency/publishing.nsf/Content/18D06BAC4644C98DCA25763E00823442/$File/ozflu-no23-2009.pdf)から・・・

2009年のインフルエンザ全体の流行は早く始まった。第30週がピークで、2009年第30週 7月20日(月)の1週間に相当し、現在、消退しつつある。
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1. Laboratory confirmed cases of pandemic (H1N1) 2009 in Australia, to 16 October 2009 by jurisdiction


型別流行
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A型インフルエンザはすべての管轄区で季節型インフルエンザの優勢で、pandemic種が季節型にほぼ置き換わった。インフルエンザAの気道試験陽性数比率は低レベルで、H1N12009は56%であった。季節型インフルエンザと記載のうち、A/H3N1が、多くの行政区で主に優勢であった。


故に、季節型インフルエンザに関する対策は従年通り必要であろう。

前年、前々年との比較だと、第21週(5月18日~5月24日)からの立ち上がりは早く、だが、ピークへの移行はだらだらとしていた。
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欠席率は例年通り
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死亡者は若年者に騒がれるほど集中していない
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インフルエンザ・肺炎死亡など現在まで大きなインパクトは示せてない
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総括的に見れば、ワクチンさえなかったのに、例年のインフルエンザの影響とくらべ、さほど差が無い

北半球、特に、日本は騒ぎすぎ?

だが、今回の新型は、季節型と比較して若年者への影響はあったと考えるべきで、0-60歳までの相対的死亡率の高さは軽視できないだろう。積極的治療がより求められるであろう世代への感染のインパクトは医療機関への影響は大きいと思われる。集中治療などの医療資源不足予想される。

一方、過剰なインフルエンザ騒動は、ワクチン接種による一般医療への圧迫など様々な問題を引き起こしている。当医院などは、冬期繁忙期に、ワクチン接種2000名以上、3000回接種をしなければならず、途方に暮れているところである。

バランスを欠く、この騒動は、医療・行政の真のリーダー不足に起因している・・・

by internalmedicine | 2009-11-04 14:57 | インフルエンザ

 

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