ROOBY研究:on pump vs off pump 冠動脈バイパス手術(CABG)

テレビドラマや漫画でよく心臓外科医などがもてはやされ、かっこいい外科医が新しい手技をアメリカあたりからもってきて、切迫した状況下で、だれも見たことのない画期的手技で、窮地を打開する・・・そんなのは絵空事

枯れた技術に価値がある・・・

Veterans Affairs Randomized On/Off Bypass (ROOBY) Study

30年ほど、CABGは主に"on pump"(心肺バイパス利用)で行われてきたが、虚血性症状、生存率延長、患者選択において制限があり、1990年代中頃から、"off pump"のCABGが出現してきた。
全身性炎症性反応、脳機能障害、心臓depression、結構動態不安定などの術後合併症の減少のために用いられてきたのだが、off-pumpがもてはやされた時期が過ぎ、周術期心筋梗塞、長期グラフト開存率などの検討がなされ、Department of Veterans Affairs (VA) 基金のRandomized On/Off Bypass (ROOBY) trialがなされ、前向き研究で、30日、1年後の主要合併症・死亡率のプライマリアウトカム、セカンダリ・アウトカムとしては、血管再建術完遂、1年後のグラフトの開存性、神経心理学的試験スコア、他のアウトカムである。

同等性に関する比較をおこなたもの

On-Pump versus Off-Pump Coronary-Artery Bypass Surgery
N. Engl. J. Med. Vol.361:(19) 1827-2837 Nov. 5, 2009

結論として、トライアルでは、冠動脈疾患へのoff-pump心臓手術アプローチの包括的advantageがon-pumpu比較で認められなかった。一致して、on-pump CABGテクニックの優越性が、1年後合成アウトカム、血管開存性で見られた。さらに、神経心理アウトカムやmajor resource使用に有意差無かった。

by internalmedicine | 2009-11-05 09:19 | 動脈硬化/循環器

 

<< 赤血球癆治療: 合成エリスロポ... NEJM誌エディトリアル: 医... >>