Emerging Risk Factors Collaboration:血管疾患リスク脂質指標の単純化:総コレステロール・HDLだけで十分
2009年 11月 11日
Major Lipids, Apolipoproteins, and Risk of Vascular Disease
The Emerging Risk Factors Collaboration
JAMA. 2009;302(18):1993-2000.
脂質値分布ボトム・トップ三分位 1000人年CHD率:
・TG: 2.6 、6.2
・HDL-C: 6.4、 2.4
・非HDL:2.3、6.7
CHD補正ハザード比は
・TG:0.99 (95% CI, 0.94-1.05)
・HDL-C: 0.78 (95% CI, 0.74-0.82)
・非HDL-C: 1.50 (95% CI, 1.39-1.61)
ハザード比は空腹と非空腹でさほど関連は強くない
CHDハザード比に関して、低非HDL-C 80mg/dLと高HDL-C 15mg/dLの組み合わせ:0.35(95% CI、0.30-0.42)
apolipoproteinサブセット、直接測定LDL-Cに関して、ハザード比は、非HDL-C/HDL‐C比 1.50 (95% CI, 1.38-1.62)、apo B/apo AI比 1.49 (95% CI, 1.39-1.60)、非HDL-C 1.42 (95% CI, 1.06-1.91) 、直接測定LDL-C 1.38 (95% CI, 1.09-1.73)
虚血性卒中ハザード比に関して、TG 1.02 (95% CI, 0.94-1.11) 、HDL-C 0.93 (95% CI, 0.84-1.02) 、非HDL-C 1.12 (95% CI, 1.04-1.20)
特定検診では、根拠なく、馬鹿官僚のごり押しでなぜか直接法LDL値が用いられている。
↓
最近用いられるようになったのが、いわゆる「LDL直接測定法」と言われるものです。この方法はわが国で開発されたもので、界面活性剤などを用い、特定のリポ蛋白質を破壊したりして、LDLに含まれるコレステロール値を測定するもので、試薬メーカーによって、いくつかの異なる方法があります。いずれも大変洗練された技術で、わが国の臨床検査の技術開発の高い水準を示すものといえます。しかし、この方法にも問題があります。それは、まだ開発されて日が浅く、総コレステロールやトリグリセライド、HDL-コレステロールといった十分に成熟し均一化された測定法と比べて、そのベータ定量法(上述)を標準とした精度管理がまだ十分とは言えない面があることです。また、時に、対象検体によっては、思いがけない異常な値を示すことがあり、それが測定の方法により異なるという問題があります。しかし、いくつかの異なる方法による測定法がいずれも「LDL直接測定法」とされていますが、臨床の現場ではそれがどの方法で(どの試薬メーカーの測定試薬で)測定されたのかの情報が無く、異常値に対する判断の材料が提供されていないのです。これらの問題を解決するため、測定精度を上げる努力が各試薬メーカーを横断的に行われており、近い将来測定値の信頼性が十分になることが望まれます。また異常値の出現について、薬剤の副作用調査に準じたデータベースの整備と情報開示が必要です。二つの方法の使い分けには、こうした限界を認識した上で、臨床的判断が必要です。
http://jas.umin.ac.jp/q_and_A.html
馬鹿役人たちは、頭も固く、ほんとに馬鹿・・・・総コレステロール+HDLの単純化すれば、メタ簿検診コストも安くなるというのに・・・近くにいる、御用学者・教授たちが馬鹿ということでもあるのだろうが・・・
by internalmedicine | 2009-11-11 09:22 | 動脈硬化/循環器