PACE:正常機能右室心尖ペーシング左室駆出率低下・リモデリング 両室ペーシングと比較

Pacing to Avoid Cardiac Enlargement (PACE)は、洞機能不全、高度房室ブックを伴う徐脈に適応を問うトライアル。

正常駆出患者、徐脈によるペーシング適応での、右室心尖部ペーシングでは左室収縮機能低下影響がある。心臓リ・モデリングはbiventricular pacingで予防可能と・・・

参入クライテリアは、左室駆出率45%以上で、高度房室ブロックもしくは洞結節機能不全でペーシング必要な対象者で、かなり影響が大きいと思う。

ただ、エディトリアルでは、”The study by Yu et al. provides additional evidence that right ventricular pacing can be deleterious, but it should not change current guidelines.”とされ、直ちにガイドラインに影響を与えないと記述している。


Biventricular Pacing in Patients with Bradycardia and Normal Ejection Fraction
www.nejm.org November 15, 2009 (10.1056/NEJMoa0907555)

前向き二重盲検多施設研究で、両室ペーシング89名、右室ペーシング 88名装着
プライマリエンドポイントは、12ヶ月後の左室駆出率と左室収縮期終末容積
12ヶ月時点で、平均左室駆出は有意に両室ペーシングより右室ペーシングが低下 (54.8±9.1% vs. 62.2±7.0%, P<0.001)、絶対差は、7.4%

左室収縮終末容積は有意に両室より右室ペーシングで大きい(35.7±16.3 ml vs. 27.6±10.4 ml, P<0.001)、絶対差は25% (P<0.001)

左室拡張期機能障害の有無で右室振戦ペーシングによる機能低下が事前特異化サブグループわけ
右室ペーシング群 8名と両室ペーシング群1名は駆出率45%低下 (P=0.02)

右室ペーシング1例死亡で、右室ペーシング6名、両室ペーシング群5名が心不全のため入院(P=0.74).


Comparison of Primary End Points at 12 Months between Patients Who Received Biventricular Pacing and Those Who Received Right Ventricular Apical Pacing.



簡単に、両室ペーシングが基本となるのだろうか?

by internalmedicine | 2009-11-16 10:02 | 動脈硬化/循環器  

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