メタアナリシス：薬剤と高齢者転倒

施設管理では、誤嚥と転倒リスクというのが非常に問題となっている。薬剤との関連が取りざたされれば医療的責任なども問われかねない。故に、転倒高リスク薬剤に関して、事前検討が必要となろう。

Meta-analysis of the Impact of 9 Medication Classes on Falls in Elderly Persons
Arch Intern Med. 2009;169(21):1952-1960.
【背景】 投擲薬剤と老人の転倒との関連の認識が広まっている。この研究の目的は、医薬品使用と転倒のメタアナリシスのupdateの意味合いの報告で、明確な薬剤分類と新規研究を追加

【方法】英語記事のシステミック検索（1996-2007年出版分）
６０歳超で、医薬品と転倒の創刊をBayesian methodで検討し、推定updated Bayesian ORｓ、９５％信頼区間（９５％ CrIs)

【結果】 11118の文献中、２２をクライテリア合致とし、メタアナリシスを９つのユニークな薬剤分類を行い、79081名の被験者で検討
Bayesian unadjusted OR estimates:
・降圧剤, OR, 1.24 (95% CrI, 1.01-1.50)
・利尿剤, OR, 1.07 (95% CrI, 1.01-1.14)
・β-遮断剤, OR, 1.01 (95% CrI, 0.86-1.17)
・sedatives(鎮静剤) and hypnotics（睡眠薬）, OR, 1.47 (95% CrI, 1.35-1.62)
・neuroleptics（安定剤） and antipsychotics（向精神薬）, OR, 1.59 (95% CrI, 1.37-1.83)
・antidepressants（抗うつ薬）, OR, 1.68 (95% CrI, 1.47-1.91)
・ベンゾジアゼピン, OR, 1.57 (95% CrI, 1.43-1.72)
・narcotics（麻薬）, OR, 0.96 (95% CrI, 0.78-1.18)
・NSAIDｓ, OR, 1.21 (95% CrI, 1.01-1.44)


利尿剤に対する、updated Bayesian adjusted OR estimates
・neuroleptics　 0.99 (95% CrI, 0.78-1.25)
・antipsychotics　1.39 (95% CrI, 0.94-2.00)
・antidepressants　1.36 (95% CrI, 1.13-1.76)
・benzodiazepines 1.41 (95% CrI, 1.20-1.71)

層別研究で、Bayesian OR推定値に影響少なく、わずかに、β遮断剤やneuroleptics、antilpsychoticsに人種横断的、hypnotics、benzodiazepines、norcoticsに研究横断的差があった。

転倒尤度増加は、sedativesやhypnotics、neuroleptics、antipsychotics、antidepressants、benzodiazepines、NsAIDs使用で推定され、”good"な処方と転倒リスク確認が大事

【結論】　hypnotics、 antidepressants、 benzodiazepines の使用で高齢者の転倒と有意に相関が認められる。

睡眠薬、ベンゾジアゼピン系は、転倒と直結するイメージがあるが、抗うつ薬と転倒リスクは、私には意外

高齢者とうつ、抗うつ薬に関する研究報告がなされていた。高齢者における抗うつ薬が独立した転倒リスクであることは間違いないようだが、機序は書かれてない。
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Falls, Depression and Antidepressants in Later Life: A Large Primary Care Appraisal
PLos one(http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0002423)