2009パンデミックインフルエンザ:中国 臨床的的特徴

2009年5月から7月までの中国の報告

今、新型インフルエンザの患者を診るために重要な臨床的特徴の情報・・・不足しているのではないか?
従来の季節型インフルエンザの知識で対応してるわけで、事実誤認があるかもしれない。・・・アップデートされた知識が常に必要である。・・・厚労省は現場無視をつづけるので、現場医師自身が能動的に知識を獲得するしかない。

要約は
・大部分軽症
・ウィルス検出までの標準的期間は6日(発熱の有無問わない場合)
・感染期間はoseltamivirで短縮の可能性


特に気になったのが、発熱後ウィルス消失確認期間・・・中央値で3日間・・・いまの2日以上解熱確認後で果たして良いのか・・・議論が必要だろう。ウィルス消失と感染性なしとは異なるから・・・一概には言えないし・・・

今の”解熱後2日間経過してから・・・”などの基準が正しいか・・・関係省庁はまともに議論していてもらいたい。

Clinical Features of the Initial Cases of 2009 Pandemic Influenza A (H1N1) Virus Infection in China
Bin Cao, M.D., Xing-Wang Li, M.D., Yu Mao, M.D., Jian Wang, M.D., Hong-Zhou Lu, M.D., Yu-Sheng Chen, M.D., Zong-An Liang, M.D., Lirong Liang, M.D., Su-Juan Zhang, M.D., Bin Zhang, M.D., Li Gu, M.D., Lian-He Lu, M.D., Da-Yan Wang, Ph.D., Chen Wang, M.D., for the National Influenza A Pandemic (H1N1) 2009 Clinical Investigation Group of China
Published at www.nejm.org December 9, 2009 (10.1056/NEJMoa0906612)




38度超えない場合も3割、黄色痰も半数程度、咳嗽7割・・・咽頭充血・扁桃腺腫大が7.5割
リンパ節腫大がほとんど見られない・・・他疾患鑑別に役立ちそう


白血球増加は2割程度、リンパ球減少成人 7割、小児 9割
CD4/CD8異常(<1.4)は半数
白血球減少例では発症2日で出現、7日でほぼ正常化(これ以上継続の場合は、合併症を考慮すべき?)
最頻特徴は、レントゲン上のlocal patchyな病変
下痢は肺炎患者で多いが、肺炎無し群とは比率の違い無し
低カリウム血症が25.4%で見られる


発症からRT-PCR検査陰性までの期間は6日(1-17日)
体温正常化から検査陰性までの期間中央値は3日(<1日 10.9%、1-2日 31.9%、3-5日 45.0%、6-7日 8.2%、>7日 4.0%)





・・・こういう報告が日本からでない・・・マスコミに出しゃばる自称・他称インフルエンザの専門家たちって何やってるんでしょうね?・・・こういう時に役立つ情報ださなければ・・・それができない研究者施設って仕分けされても仕方ない。

by internalmedicine | 2009-12-10 09:00 | インフルエンザ  

<< 自閉症スペクトラム障害を一般の... ベトナム:タミフル耐性2009... >>