”CTスキャンが早ければ患者の安全を守る”・・・これは誤った感覚

神経学的所見を含む医師判断が加わらなければ、ベストのCTタイミング判断できない。

"Early scans may actually give you a false sense of security leading to patient dispositions where less frequent neurological exam and monitoring are performed"


The clinical significance and optimal timing of postoperative computed tomography following cranial surgery
Ahmad Khaldi, Vikram C. Prabhu, Douglas E. Anderson, Thomas C. Origitano
Journal of Neurosurgery, , Vol. 0, No. 0, Pages 1-5
(doi: 10.3171/2009.11.JNS081048) Journal of Neurosurgery, , Vol. 0, No. 0, Pages 1-5

頭蓋内手術患者で、定期的ベッドサイド神経学的診察は、CTより、再手術予測方法としては優れている。

24時間以内の術後CTルーチン検査患者のうちだれも合併症のための手術室利用はなかった。

しかし、3/10例(30%)で、ベッドサイドの神経学的初見で、緊急手術必要と主される問題のため、術後CTスキャンオーダー。

スキャン技術はすばらしいが、医師判断無しのCT適応では有用とはいえない。


放射線被曝、コスト、スタッフや病院のリソースなどからCT使用を吟味する必要がある


ルーチンのスキャンの半数は、術後8時間未満で、43%がルーチンに術後8-24時間後行われ、神経学的所見異常に基づくCTスキャンはわずか4%

覚醒遅延、神経学的所見変化、神経学的所見の予期せぬ所見、挿管遷延化を含む神経学的異常

24時間以内の手術室への舞い戻る患者は居らず、30%でCTスキャンが行われた (P<0.05)

二次解析にて、術後スキャン最適タイミングを検討し、8直に無いの早期スキャンにて、11%が悪化兆候をみた。

連続スキャン兆候悪化を示したのは術後8-24時間以内でわずか3%である、このことは、CTスキャンを遅らせることでベネフィット最大化をもたらす事を示す。



CTさえとれば、万事解決と・・・思っている人が多いのでは?

割り箸訴訟の報道でそのようなことが・・・一般に語られており、みのもんたの問題発言(http://www.bpo.gr.jp/brc/decision/041-050/041_k_tbs.pdf)にもつながっている。日本の医療報酬制度には医師へのフィーを無視して、高額医療器械への診療報酬に偏る。全く無理解な患者側というひとが中医協に入り事の混乱を深めている。

by internalmedicine | 2009-12-19 09:05 | 中枢神経  

<< 農薬とアルツハイマー病発症リスク 幼少時期IQ・教育の死亡率への影響 >>