動脈瘤血管内治療:3mm以下についてのメタアナリシス、ステント有無の効果

頭蓋内動脈瘤についての2つの論文

メタアナリシス:3mm以下頭蓋内動脈瘤の血管内治療
Endovascular Treatment of Very Small (3 mm or Smaller) Intracranial Aneurysms
Report of a Consecutive Series and a Meta-Analysis
Waleed Brinjikji, BS; Giuseppe Lanzino, MD; Harry J. Cloft, MD, PhD; Alejandro Rabinstein, MD David F. Kallmes, MD
(Stroke. 2010;41:116.)

メタアナリシスによる、破裂を示す動脈瘤 約61%、非破裂39%
極小動脈瘤の術時破裂は8.3%(95% CI, 6.0%-11.4%)
術施行による破裂死亡率1.9% (95% CI, 0.9% - 3.9%).

血栓塞栓合併症率は 1.9% (95% CI, 0.9% - 3.9%)

治療後1ヶ月以内のくも膜下出血は 1.6% (95% CI, 0.6% - 3.7%)

アウトカム上、非破裂・非破裂間の、有意な差はない


結論としては、極小動脈瘤への治療に治療可能性はあると考え、90%超で、有効。
しかし、周術破裂は、さらに大きな動脈瘤よりそのリスクが高い。
同様に、周術死亡率・合併症組み合わせ頻度は7.3%と無視できるものではなく、ベストな治療オプションと考えられるときに施行を考慮すべき





Stent-Assisted Coiling of Intracranial Aneurysms
Clinical and Angiographic Results in 216 Consecutive Aneurysms
Michel Piotin, MD, PhD; Raphaël Blanc, MD, MSc; Laurent Spelle, MD, PhD; Charbel Mounayer, MD, MSc; Rhelen Piantino, MD; Paul J. Schmidt, MD Jacques Moret, MD

(Stroke. 2010;41:110.)

Stent-Assisted Coiling of Intracranial Aneurysms: Clinical and Angiographic Results in 216 Consecutive Aneurysms [Original Contributions]
Stroke current issue Piotin, M., Blanc, R., Spelle, L., Mounayer, C., Piantino, R., Schmidt, P. J., Moret, J.

ステント補助コイル術は、頭蓋内動脈瘤治療として広がっている。しかし、治療関連神経学的合併症率や血管造影動脈瘤再発頻度はいまだ詳細不明。ステント補助コイル術の著者ら自験について、施行関連神経学的合併症と血管造影的再発について記述されたもの

1137名の連続患者の臨床・血管造影的所見のアウトカム

ステント無し 1109(83.5%)、ステント治療 216(16.5%)(バルーン拡張 15/216;6.9% vs 自己拡張ステント 201/216;93.1%) 

ステントはコイル術後留置 55.1%(119/216)、コイル術前留置 44.9%(97/216)

永続的神経学的術関連合併症は、ステント有りで 7.4%(16/216) vs ステント無しで 3.8%(42/1109) (logistic regression P=0.644; OR: 1.289; 95% CI: 0.439 - 3.779)

処置による死亡率はステント術にて  4.6% (10 / 216) vs ステント無し処置 1.2% (13 / 1109)
(logistic regression P=0.006; OR: 0.116; 95% CI: 0.025 - 0.531)

ステント治療後の動脈瘤フォローは 52.7%(114/216)で、ステント無し後の動脈瘤フォローは1.2% (13 / 1109)でかなり異なる。血管造影動脈瘤再発は ステント有り 14.9% (17 / 114) versus ステント無し  33.5% (259 / 774) (Fisher exact test P<0.0001; OR: 0.3485; 95% CI: 0.2038 - 0.5960)

ステントは、有意に血管造影の繰り返しを減らすが、ステント無しに比べ、致命的合併症と、より相関する。

by internalmedicine | 2009-12-29 09:07 | 中枢神経  

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