幼児・小児のInfluenza A(H1N1)は非アジュバント不活化単回15μgでかなり効果有り?

Nolanらの下記報告は、単回非アジュバント不活化インフルエンザA(H1N1)ワクチンで、90%を超える抗体反応有り、21日後の2回投与で有意に増加。ライセンス投与スケジュールは子ども・親・医療従事者・公衆衛生担当者にとって新しい良いニュースであり、安全性も再確認されたことになり、これが時期季節型ワクチンに加わることの担保される知見ともなろうと解説。

ただ、1回投与でimmunogenicとして十分かどうかの結論は時期尚早と警告


2009インフルエンザA(H1N1)に対する幼児・小児のワクチンはH1N1インフルエンザパンデミックコントロールに役立つ可能性がある。だが、ウィルス主特有・若年者のワクチンの免疫原性に関して不確実なところがあり、適切な抗体反応を示す野に必要な抗原量は未だ不明。

370名の6ヶ月から9歳児のランダム化平行群研究で、不活化、スプリットウィルス2009インフルエンザA(H1N1)ワクチン 15μg or 30μg21日間隔2回投与による評価。著者らは、単回15μgワクチン投与は抗体価1:40以上が92.5%(95%信頼区間[CI], 87.6%-95.6%)のimmunogenicを得たと報告


Immunogenicity of a Monovalent 2009 Influenza A(H1N1) Vaccine in Infants and Children
A Randomized Trial
Terry Nolan et. al.
JAMA. 2010;303(1):37-46


30μg投与割り当て群では、初回投与で、97.7% (95% CI, 94.2%-99.1%)で1:40以上の抗体価

2回投与で、すべての被験者は1:40以上を獲得し、ワクチン関連副事象は軽症から中等症に限定され、季節型ワクチンと同等であった。


Reverse Cumulative Distribution Curves of Antibody Titers on Hemagglutination Inhibition Assay by Vaccine Dose



Reverse Cumulative Distribution Curves of Antibody Titers on Hemagglutination Inhibition Assay by Prior Receipt of 2009 TIV
TIV indicates 2009 Southern Hemisphere seasonal trivalent inactivated vaccine.




エディトリアル(JAMA. 2010;303(1):73-74. )では、FioreとNeuzilが、幼児・小児のインフルエンザA(H1N1)ワクチンのimmunogenicityについて議論し、すべての子どもにこの治験は一般化できないと注意を喚起している。

by internalmedicine | 2010-01-06 09:22 | インフルエンザ  

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