米国ナーシングホーム組織文化によりチューブ栄養のとらえ方にばらつきがある

日本の特養や老人保健施設に相当するナーシングホームは、米国では、テレビなどで宣伝さかん。で、施設ごとの organizational culture(組織文化) により、その施設の実践的行動jが規定される。経管栄養の問題もそのようである。


認知症老人へのチューブ栄養の問題は、進行期認知症の経管栄養問題 2006-12-11 でもとりあげたが、”経管栄養は、食べたくないものへの食事の強制となり、患者のAutonomyを侵害するという考え方”がある。
一方、”肺炎、熱性エピソード、食事の問題が死因として多い”(認知症進行期の臨床経過:感染症・熱性疾患・嚥下問題が主な死因、緩和ケア不十分 2009-10-15)。


米国では、この問題・・・クリアカットにされているのかと思いきや・・・そうでもないようだ。施設ごとの方針にゆだねられているようで、表面で議論になるのだろう。

The Influence of Nursing Home Culture on the Use of Feeding Tubes
Ruth Palan Lopez, PhD, GNP-BC; Elaine J. Amella, PhD, GNP-BC, FAAN; Neville E. Strumpf, PhD, RN, FAAN; Joan M. Teno, MD, MSc; Susan L. Mitchell, MD, MPH
Arch Intern Med. 2010;170(1):83-88.

米国国内的に、認知機能障害を有する多くのナーシングホーム(NH)居住者はチューブ栄養を受けているが、この介入のベネフィットは明示されてない。
ナーシングホームの組織分化はこのチューブ栄養の実践にも関連し得いるが、いまだその理由付けは明らかでない。

チューブ栄養の組織文化に関し、チューブ栄養施行自体に関して、かなりのばらつきが見られ、施行の少ないナーシングホームは日々の生活の重要な要素として食事に対して自宅環境中心的を有し、手による栄養投与に価値を見いだすナーシング・アシスタントによる食事で、家族や緩和ケア的オプションに誘導するadvanced careプランニングに基づく

高使用ナーシングホームは、施設的環境で、スタッフによる食事時間がpoorで、栄養チューブを好むスタッフの傾向であり、誤嚥を忌避し、規則的コンプライアンスに合致性が高い施設


日本では、御上が実践的経験や実態調査は不足してるくせに、机上の空論・理想主義的に現場に指示するためか、経管・経腸栄養のリスクや倫理性の議論が、現場でも不足している。また、誤嚥や誤飲が訴訟ざたとなるため、その恐れから、経管・腸栄養などが、その潜在リスクや倫理性に関して議論されることなく、認知症の治療経過として、即、行われる。そろそろ、認知症進行例での経管栄養の問題は国家全体で議論すべき時だと思う。

by internalmedicine | 2010-01-12 14:22 | 精神・認知  

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