否定的報告:慢性アキレス腱外傷に多血小板血漿のプラセボ比較ランダム研究

慢性のアキレス腱症(chronic Achilles tendinopathy)は、疼痛・腫脹、身体運動低下を特徴とする変性疾患で、保存治療に反応の悪い慢性のアキレス腱外傷で比較的多い疾患。すべての運動関連外傷の30-50%が腱関連外傷である。この腱変性は多血小板血漿注射で改善するという報告があり、これは含まれる様々な組織増殖因子の効果ではないかと思われた。

この介入のベネフィットに関し、多血小板血漿とプラセボ(生食)をランダム割り付け研究
24週フォローアップで、多血小板血漿は、疼痛・機能の有意な改善を認めなかった。


Platelet-Rich Plasma Injection for Chronic Achilles Tendinopathy
A Randomized Controlled Trial
Robert J. de Vos et. al.
JAMA. 2010;303(2):144-149.


"多血小板血漿、platelet-rich plasma(PRP)は、末梢血から血小板を濃縮した血漿である。血小板はPDGF、TGF-βなどの成長因子を多く含み、総武に使用すると、創傷治癒が促進される(http://www.dent.meikai.ac.jp/media/library/new-journals/2006_V35/7-20.pdf)"と報告もあるが、腱疾患創傷治癒に関しては疑念がもたれることとなった。

by internalmedicine | 2010-01-13 08:30 | 運動系  

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