コカイン使用と突然死 :突然死の3.1%がコカイン関連・・司法薬物剖検の必要性

コカイン:cocaine (COC) と突然死:sudden deaths (SDs)の関係

システミックな毒物学的検討により突然死の3.1%がコカイン関連で、主に、心血管疾患によるもの
左室肥大、小血管疾患、腔内血栓の有無に関わらない若年冠動脈動脈硬化症がコカイン依存の心停止リスクにある心筋虚血でみられる。

法医学解剖の前向き症例対照研究で、2003年11月から2006年6月までの南西部スペイン、SevilleのInstitute of Legal Medicineで、1875462名の対象人口

Cocaine-related sudden death: a prospective investigation in south-west Spain
European Heart Journal, doi:10.1093/eurheartj/ehp557
血中エタノール解析と乱用薬物・医薬品の血中・尿中検査

10年齢、性別マッチ化させた、コカイン・ほかの薬物的介入のない暴力原因死亡患者を対照
研究期間中、2477名の法医解剖がなされ、1114名が自然死。
後者のうち、668名のクライテリア合致突然死、21例のコカイン関連死3.1%(全員男性、平均年齢 34.6 ± 7.3歳)がみられた。
コカインを血中 67.1%(中央値 0.17 mg/L, 中間4分位 0.08–0.42) 、尿中 83.0%(中央値 1.15 mg/L, 中間4分位 0.37–17.34)で検出
エタノールの併用使用が76.0%、喫煙は81.%
突然死の原因は、心血管疾患 62.0%、脳血管 14.0%、幻覚 14%、呼吸、代謝いづれも5.0%
左室肥大が57%、小血管疾患42.9%、重傷の冠動脈疾患28.6%、冠動脈血栓 14.3%


冠動脈動脈硬化症は16例、76.2%、うち6例で、それが主な突然死の原因となっている。
冠動脈動脈硬化は6例ですべて多枝疾患で重症、3例は中等症で、2つの血管枝病変もしくは一つの血管枝の多病変、軽症7例で、4例の多枝および3例の単枝病変


Atherosclerotic plaques of the coronary arteries without luminal thrombosis in cocaine addicts. (A) Fibro-atheromasic plaque with calcification and cholesterol clefts in LAD and first diagonal branch determining an 80% reduction in arterial lumen (Case 12, 37 years old) (trichrome stain); (B) Fibro-atheromasic plaque in LAD determining an 80% reduction in arterial lumen (Case 14, 28 years old) (haematoxylin-eosin); (C) Fibro-atheromasic calcified plaque in LAD determining a 95% reduction in arterial lumen (Case 20, 45 years old) (haematoxylin-eosin).




急性閉塞性血栓症が3例にみられた




若年層の突然死の比率が多く、社会的インパクトも大きい。コカイン使用比率ヨーロッパでは、ルーマニア、リトアニアの0.7%からイギリスの12.7%までばらつきがある。だが、いづれも過小評価の可能性があり、もっと広まっているだろうと予測されている。

薬物的統一プロトコールによる死後検査が行われる必要があり、突然死の原因としてのコカイン関連疾患が見逃されていた可能性がある。

CT剖検だけでなく、こういった薬物的剖検のルーチン化も必要で、コカインの真の毒性を明らかにする必要がある。

by internalmedicine | 2010-01-15 09:01 | 動脈硬化/循環器  

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