ACCORDサブ解析:ベースライン・リスクを探る
2010年 01月 15日
高リスク2型糖尿病強化治療:異なる2つトライアル結果:ACCORD vs ADVANCE 2008-06-07
)というADVANCEトライアルとの差も指摘されている。
ACCORDのサブ解析で何らかのヒントがないか・・・ということで2つの後顧的サブ解析
低血糖と死亡率の関連をACCORDトライアル被験者で後顧的に検討。症状的、重症低血糖は各群でも死亡リスク相関。しかし、低血糖エピソードが少なくとも1回あった患者では、死亡リスクは標準治療群に比べ強化治療群でリスクが低い。有症状重症低血糖は、ACCORD強化治療群中止時点での、2つの治療群での差としては考えにくい。
The association between symptomatic, severe hypoglycaemia and mortality in type 2 diabetes: retrospective epidemiological analysis of the ACCORD study
Denise E Bonds, Michael E Miller, Richard M Bergenstal, John B Buse, Robert P Byington, Jeff A Cutler, R James Dudl, Faramarz Ismail-Beigi, Angela R Kimel, Byron Hoogwerf, Karen R Horowitz, Peter J Savage, Elizabeth R Seaquist, Debra L Simmons, William I Sivitz, Joann M Speril-Hillen, Mary Ellen Sweeney
BMJ 2010;340:b4909
ベースラインから4ヶ月後のHbA1c濃度の低下値の目立つことは必ずしも低血糖リスク増加とは関連せず。血糖コントロール不良な患者では低血糖リスクが高く、治療群の差とは関係しない。ベースラインで重症低血糖リスク増加サブグループを同定することは、個々のリスクベースに基づき患者治療を修正するための有益なガイダンスとなろう。
The effects of baseline characteristics, glycaemia treatment approach, and glycated haemoglobin concentration on the risk of severe hypoglycaemia: post hoc epidemiological analysis of the ACCORD study
Michael E Miller, Denise E Bonds, Hertzel C Gerstein, Elizabeth R Seaquist, Richard M Bergenstal, Jorge Calles-Escandon, R Dale Childress, Timothy E Craven, Robert M Cuddihy, George Dailey, Mark N Feinglos, Farmarz Ismail-Beigi, Joe F Largay, Patrick J O'Connor, Terri Paul, Peter J Savage, Ulrich K Schubart, Ajay Sood, Saul Genuth, for the ACCORD Investigators
BMJ 2010;340:b5444
重症低血糖が、2型糖尿病のコントロール強度亢進に従い、死亡率リスク増加と関連することが示され、10251名のランダム化割り付けにて、両群armとも、1回以上の医学的管理が必要な重度低血糖の経験を有する対象者はエピソードのない患者に比べ、強化治療群、標準治療群でそれぞれ、補正ハザード比はそれぞれ1.41、2.30であり、重度低血糖頻度がそれに対する悪影響を示唆しているとされた。
だが、、死亡リスクは、医学管理の必要な有症状、重度低血糖では補正HR 0.55、強化血糖管理群では補正HR 0.74と少ない。著者らは、必ずしも、2治療戦略の違いは、有症状・重度低血糖がその原因とは思えないと結論づけている。
http://professional.diabetes.org/News_Display.aspx?TYP=9&ori=rss&CID=76959
さて、このクイズの最終的答えは・・・?
by internalmedicine | 2010-01-15 09:50 | 糖尿病・肥満