鍼の術後イレウス予防効果についての否定的結果研究
2010年 01月 15日
Electro-acupuncture to prevent prolonged postoperative ileus: A randomized clinical trial.
Meng ZQ, Garcia MK, Chiang JS, Peng HT, Shi YQ, Fu J, Liu LM, Liao ZX, Zhang Y, Bei WY, Thornton B, Palmer JL, McQuade J, Cohen L.
World J Gastroenterol 16(1):104-111
遷延化術後イレウス(PPOI:prolonged postoperative ileus)予防に鍼が役立つか?
中国・上海 Fudan University Cancer Hospital
術後、ランダムに鍼(1日1回、術後 day1から6日間連続)と通常ケアを割り付け
PPOIは手術後96時間までに便通過障害・腸管運動改善障害とした。
一次アウトカムは、便の状態、腸管運動までの時間、electrogastroenterography
二次アウトカムは、QOL測定、疼痛、吐き気、不眠、腹部の張り・膨満、well-being状態
両群に、day 4のPPOI、QOLに有意差無し
day 5、day 6でのPPOI改善解析でも有意差無し
鍼関連副事象イベントは報告されてない。
消化管疾患・症状に対する鍼の報告としては、過敏性腸症候群が多いようで、他に、潰瘍性大腸炎などだが、術後イレウスの報告は元々少ないようだ(http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/58/3/323/_pdf/-char/ja/)
いづれもエビデンスレベルが高いものがあるとは言い難いことは確かだが、潰瘍性大腸炎などには期待がこめられる予備的報告があるようだ。
近くにある書籍には、
”大腸の機能は糟粕の伝化(大便の排泄)・・・気虚、陰虚あるいはそれによる燥熱(大腸燥熱)で伝化機能が失調すると便秘が起こる”とある。
・燥湿和中:寒湿邪を除去し、胃腸を穏やかに調和させる
・清利大腸湿熱:大腸の湿邪熱を除去する
・清腸潤燥:大腸の邪熱を除去し、大腸を滋潤する
by internalmedicine | 2010-01-15 12:09 | 消化器