日本人:γGTPは卒中のリスク要素

血中 γ-glutamyltranspeptidase (GGT) 値は、心血管疾患発生頻度と相関。GGT値とアルコール飲用の影響の研究は少ない。GGT値と卒中頻度を飲酒状態に応じて検討した研究・・・とのこと。

日本の研究者なのでとりあげてみた。

γ-Glutamyltranspeptidase and Incident Stroke Among Japanese Men and Women. The Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS)
Shimizu et al. Stroke.2009; 0: STROKEAHA.109.569061v1

前向きコホート、40-69歳の日本人、女性 N=6281、男性 N=3471)で、卒中頻度調査のための組織的サーベイランス
18年フォローアップ期間、女性 202(3.2%)、男性 230(6.6%)が卒中
血中GGT値と卒中リスクは女性で相関あり、男性ではない。
GGT最高4分位の最小4分位に対する総卒中の多変量ハザード比は、女性で 1.56 (95% CI, 1.01 - 2.39) 、男性で、1.37 (95% CI, 0.89 - 2.11)
さらに、GGTは、非喫煙者に対する総・虚血性卒中リスクとして関連




過剰飲酒は卒中リスクと関連するという仮説、生化学的マーカーとしてGGTを用いたところ有用であった
Serum Gamma-Glutamyl Transferase, Self-Reported Alcohol Drinking, and the Risk of Stroke
(Stroke. 2000;31:1851.)

・・・という先行する報告

アルコール摂取の生化学マーカーとしてのみGGTが作用すれば解釈は簡単だろうが、バルビツール系・フェニトインといった薬剤、うっ血性心不全でさえ増加するという要素もある。一般的にはこの要素は日本では少数だろうから影響をどの程度及ぼしているかは疑問であるが、アルコール習慣のない人でも、リスク要素とはどういったことなのだろう?

by internalmedicine | 2010-01-16 10:16 | 中枢神経  

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