アレルゲン免疫療法は医療経済的にも有益
2010年 01月 18日
日本でも”スギ花粉エキスによる舌下減感作療法”が以前から上梓されるされると聞いているが・・・えらく年数が経過した。医療経済的にも有効なのではないかと、外国の花粉症免疫療法の医療経済的な話。
アレルギー免疫療法:Allergy immunotherapyは、アレルギー性鼻炎(花粉症:hay fever)を3分の1に減らし、処方箋コストを16%減らすことができると、今月の Annals of Allergy, Asthma & Immunology誌
Allergen immunotherapy and health care cost benefits for children with allergic rhinitis: a large-scale, retrospective, matched cohort study
Cheryl S. Hankin, Linda Cox, David Lang, Amy Bronstone, Paul Fass, Bryan Leatherman, Zhaohui Wang
Annals of Allergy, Asthma & Immunology Vol. 104(1) pages 79-85 Jan.2010
10年US後顧的研究で、まず3ヶ月間医療費の有意な減少が見られ、18ヶ月間減少継続する。
アレルゲン・ワクチンを受けた2270名のアレルギー性鼻炎の子供で、マッチさせた対照群11000名を比較したもので、これは個々の家庭の医療費を減らすだけでなく、国家的医療費危機にとっても重要なニュース
アレルギー性鼻炎は、USの子供の、3番目に多い慢性疾患で、国民の40%まで罹患。毎年、200万の休校日、12歳未満で230万ドルの医療費となる。
喘息・他のアレルギー性疾患発症のリスクと関連するアレルギー性鼻炎の減少する唯一の治療
今まで医療アウトカム改善
Grazaxはgrass pollenのアレルギーに対する免疫療法の薬剤で、1日1回急速溶解タブレットで、シーズン前4ヶ月服用必要。結局、通年的に服用継続。
SLITとして知られる、Sublingual Immunotherapyは、従来の皮下投与に比べて、利用しやすい。
Oralair Grassesは、舌下投与で、これも同様にシーズン前4ヶ月開始し、シーズン中継続、ただ、こちらはシーズンとシーズンの間は不要。
あいかわらず、ぐずの厚労省・・・認可が遅れてるのは、単に事務手続きがいつものごとく遅れているだけか?それとも、この治療法の健保適応による医療費増大を恐れている?それとも他に我々が知らない安全性の問題があるのか?
”Allergy to vaccine” と ”Vaccine to Allergy"でエライ違いだ
by internalmedicine | 2010-01-18 10:25 | 呼吸器系