ベル麻痺の最近の知見


【ベル麻痺の最近の知見】BMJ 2004;329:553-557 (4 September),


・Bell麻痺はおそらくヘルペスウィルス、単純ヘルペス1、帯状疱疹ウィルスによって生じる。
・顔面神経麻痺は経口アシクロビルとプレドニゾンの併用治療後改善
・部分的なBell麻痺の治療は議論がある:治療されなかったが故に回復しなかった患者もいる。
・72時間未満がより有効である可能性、7日後は無効。
・急性顔面神経麻痺の5例中1例は適切に治療すべき別の原因を持つことがある



急性顔面麻痺の原因と頻度
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Bell麻痺 72%
Herpes simplex virus type 1 84

Herpes zoster virus
Zoster sine herpete
(三叉神経第 1 枝領域の皮疹なしに眼病変を発症するもの) 16
Ramsay Hunt syndrome
(顔面神経麻痺とともに外耳道や耳介および頭頚部の帯状疱疹、耳鳴りやめまいなどを伴う場合) 7
外傷 4
腫瘍 4
中耳炎・真珠腫 3
新生児 6
その他稀な状態 4




予後悪化要因
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完全な顔面麻痺
3週間までに回復しない
60歳超の年齢
重症疼痛
Ramsey Hunt syndrome(帯状疱疹ウィルス)
高血圧・糖尿病・妊娠の存在
電気生理学的試験で顔面神経の重症の変性の存在


72時間以内が理想で、中等症・重症の顔面麻痺の存在する患者では経口プレドニゾンとアシクロビル併用を支持。免疫状態が十分な患者では1mg/kg/d(最大80mg)を1週間、週間で中止(エビデンスレベル B)
5例中1例で部分的麻痺から進行するが、同様に治療すべき(エビデンスレベル C)





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ステロイド+抗ウィルス薬は、サイトでも見解がばらばらですね。ac.jpを足してグーグル検索しても同様です。
上記、知見は、外国のジャーナルのひとつの見解ということで、ご了承ください。

by internalmedicine | 2004-09-03 14:58 | 内科全般  

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