インフルエンザ点滴薬剤: ラピアクタ点滴
2010年 01月 21日
社団法人日本感染症学会提言 2010-01-25 ~新規薬剤を含めた抗インフルエンザ薬の使用適応について~
http://www.kansensho.or.jp/topics/pdf/100122soiv_teigen.pdf
提言では、「重症で生命の危険がある患者」には、「重症例での治療経験が最も多いタミフルの使用を第一に考慮する」よう勧めた上で、経口投与が困難な場合や、確実な投与が求められる場合などには、ラピアクタの使用を推奨している。この場合、600mg での反復投与が考えられるが、「3日間以上反復投与した経験は限られている」と指摘し、副反応の発現などに注意を呼び掛けている。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/26099.html
重症で生命の危険がある患者を中心に使用すべき・・・ということらしい
日本感染症学会はこのほど、1月27日に販売が開始されたラピアクタを含む3種類の抗インフルエンザウイルス薬について、使用適応と使い分けを患者の重症度別にまとめた提言を発表した。ラピアクタに関する記述が中心で、重症患者に対して、経口投与が困難な場合や確実な投与が求められる場合には、静脈注射のラピアクタの使用を考慮するよう勧めている。
CBNews
この種の薬剤の点滴製剤としては、Emergency Use Authorization(EUA)ではなく、正式承認ということで世界初とのこと
【厚労省】インフル治療薬「ラピアクタ」を緊急収載
薬事日報 2010年1月21日 (木)
厚生労働省は、塩野義製薬のインフルエンザ治療薬「ラピアクタ」(成分名:ペラミビル水和物)を薬価基準に緊急収載する。薬価は点滴用バイアル150mgが3117円、同バッグ300mgが5792円。原価計算方式で算定し、加算として営業利益率に20%を上乗せした。
ラピアクタは、タミフル、リレンザに続く3番目の抗インフルエンザウイルス薬で、約15分の点滴静注1回で十分な効果が得られる。A型・B型インフルエンザウイルス感染症が適応で、タミフル耐性例にも効果が得られている。
ラピアクタは米国BioCryst社からの導入品だが、日本人で1000例近い治験を実施し、世界に先駆けて開発した準国産の新薬。
薬価算定でも、こうした点を踏まえて加算を適用したが、作用機序が既存薬と同じノイラミニダーゼ阻害作用のため、限定的な評価となった。標準使用の300mg単回投与の場合、タミフル1日2カプセル5日間投与の1・8倍程度となる。
小児用の適応はないものの、現在実施中の治験データに基づいて、慎重投与するよう添付文書で求める。
薬価収載を承認した20日の中央社会保険医療協議会では、臨床現場での適正使用を求める意見が出た。
市場予測規模は初年度が10・8万人、9・9億円で、ピーク時の2年度目が67・4万人、40・6億円。なお、米国では承認されていないが、治験成績を踏まえて、政府が買い上げて限定的に使用を認める対応が行われている。
また同剤について厚労省は18日付で、全数調査への協力を医療機関に求めるよう、都道府県や関係団体へ要請している。そのほか、承認条件として、[1] 製造販売後の一定期間は全使用症例の実態、安全性を情報収集[2]同剤に対する耐性化に関する国内外の調査結果等を当局に随時報告――することも付されている。
塩野義のインフル治療薬を22日に緊急収載
CBnews http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25980.html
厚労省の薬価算定組織による検討結果が20日の中央社会保険医療協議会(中医協)で了承された。薬価はラピアクタ点滴用バイアル150㎎が3117円、同バッグ300㎎が5792円。
薬価算定組織は「同様の効能・効果などを持つ類似薬はない」として、原材料費、製造経費などを積み上げる「原価計算方式」を適用。1回の投与で十分な効果があることや、慢性呼吸器疾患などの基礎疾患を合併するなど、経口または吸入が困難な患者に対して投与可能であること、日本人で1000例近い臨床試験を実施し、世界に先駆けて開発されたことを評価し、営業利益率を平均の1.2倍の23%として算定した。
塩野義製薬による予測販売金額は、2009年度が9.9億円(予測投与患者数10.8万人)、ピークの10年度が40.6億円(67.4万人)。
新型インフルエンザ(2009H1N1)タミフル耐性は未だ深刻でないのだから、使用するとしたら、重症例だけに限定してほしい・・・製造承認から考えると不思議なのだが使用期間が短いそうだ。
抗インフルエンザウィルス剤 「ラピアクタ点滴用バッグ300mg」および「ラピアクタ点滴用バッグ150mg」の製造販売承認取得について(平成22年1月13日) pdf
新型インフルエンザ: FDA、peramivirのEUA発行 2009-11-03
ClinicalTrials.gov : Peramivirをみると、筋肉注射方法もあったようだが、いづれも中断。
by internalmedicine | 2010-01-21 14:53 | インフルエンザ