Stevens-Johnson Syndrome:薬剤性とマイコプラズマ肺炎菌による病態の違い

生命危機や重篤な副作用を伴う、非常に頻度が少ない疾患は、その記載は貴重である。

M pneumoniaeによるStevens-Johnson syndromeは、薬剤性のものに比べ軽症

Clinical, Etiologic, and Histopathologic Features of Stevens-Johnson Syndrome During an 8-Year Period at Mayo Clinic
Mayo Clinic Proceedings February 2010 vol. 85 no. 2 131-138

現実的には、マイコプラズマ感染症で、この疾患が疑われた場合でも、抗生剤継続は断念せざる得ないだろう。早期にわかる、明確な鑑別基準があれば、ずいぶん、精神的に楽になるのだが・・・

<hr>M. pneumoniaeによる‘incomplete Stevens–Johnson syndrome’
Stevens–Johnson syndrome without skin lesions
Journal of Medical Microbiology (2007), 56, 1696–1699
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医者はこの病気に対して過敏になっている。それはこの判決によるところが大きい。
最高裁第2小法廷;発疹出たらSJS疑うべき、高裁判決破棄、(02年11月8日)
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/sjssaikousai.htm


スティーブンス‐ジョンソン症候群では主に口の中、眼、腟などの粘膜に水疱が生じ、発疹が集まった部分ができます。中毒性表皮壊死症でも粘膜に同様の水疱ができますが、スティーブンス‐ジョンソン症候群ではさらに、皮膚の最も外側に位置する表皮が、体の広い範囲で大きくはがれます。どちらの病気も命にかかわります。
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec18/ch203/ch203e.html


重篤副作用疾患別対応マニュアル :中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)
(ライエル症候群、ライエル症候群型薬疹(pdf

薬剤服用、特に、抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬などでみられ、また総合感冒薬(かぜ薬)のような市販の医薬品でもみられ、「高熱(38℃以上) 」 、 「目の充血 じゅうけつ」 、 「くちびるのただれ」 、 「のどの痛み」 、 「皮ふの広い範囲が赤くなる」がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする
・・・ことを患者に周知せしめることが必要となった。

by internalmedicine | 2010-01-31 12:13 | 感染症  

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