プライマリケア非特異的胸痛患者の経過
2010年 02月 09日
Glombiewskiらはプライマリケアでの非特異的胸痛の経過を、症状持続と医療機関受診について調査
GP受診約19万名の連続患者のうち、2005年10月から2006年7月までの、非特異的胸痛807名の患者
持続非特異的胸痛 55.5%、10%が医療機関受診不適切受診
持続的胸痛の多くの患者は、心臓専門医へ紹介し、メンタルヘルスケア専門への紹介はわずか2%未満
著者らは、多くの非特異的胸痛患者の多くは、標準的メディカルケアが症状軽減のための十分な手助けとなっていない。
10人に一人が、明らかな臨床的ベネフィットがあるかどうかわからない診断的検査を繰り返され、心理学的介入が用いられることは少ないという結論。
The Course of Nonspecific Chest Pain in Primary Care
Symptom Persistence and Health Care Usage
Julia Anna Glombiewski, PhD; Winfried Rief, PhD; Stefan Bösner, MD, MPH; Heidemarie Keller, PhD; Alexandra Martin, PhD; Norbert Donner-Banzhoff, MD
Arch Intern Med. 2010;170(3):251-255.
プライマリケア当事者にとれば、"Nonspecific" chest painの問題は、“後出し じゃんけん”で、見逃しによる不具合が起きれば、患者や家族、そして、マスコミにバッシングされる可能性がある以上、ある程度簡単な検査は行わなければならないだろう。それに、胸痛は、急性心筋梗塞・狭心症・大動脈解離・肺塞栓・弁膜症・心筋炎といった心疾患・循環器疾患とメンタル的問題だけでないわけで、肺炎、気胸・静脈瘤破裂・食道疾患、esophageal dysmotility やGERD、喘息や胸郭内疾患、胸壁疾患などもあり、そういったものを除外した上で、メンタル系への紹介となるだろう。そして、もっともリスキーな疾患は循環器系疾患で、循環器系コンサルトで何が悪い・・・という言い訳は聞かないのだろうか?
この論文、physician factor(http://intmed.exblog.jp/5829343/)のみに注目し、すべて、心理的要素で片付けようとしている。心理病的要素としては、疾患確率できるのは67%程度であり、 パーソナリティーの問題が9割・・・となると、メンタルヘルスに投げるってのも無責任のような気がする。
また、非特異的胸痛は長期予後が悪いとという報告がある。
"Nonspecific" chest pain associated with high long-term mortality: results from the primary prevention study in Göteborg, Sweden.
Clin Cardiol. 1998 Jul;21(7):477-82.
医師側要素だけでなく、環境的要素、患者要素を含めた多層的検討が必要と思うのだが・・・
by internalmedicine | 2010-02-09 11:34 | 動脈硬化/循環器
