メタボ健診:線引き困難 腹囲基準根拠揺らぐ 厚労省、3万人データ解析

”メタボリック・シンドロームの腹囲基準に根拠を見いだせなかった”という報道が昨夕からメディアで流されているが・・・あたりまえ・・・と、まともな人は思うだろう。もともと、基準の根拠が薄弱すぎ、にもかかわらず、真正面にその答えに応じず、代わりに恫喝を与えていた研究班メンバーたち。


日本の欧米で取り上げられたものに素早く反応した人ほど偉いという明治から変わらぬステレオタイプな価値観に従順な、軽薄な”学者さんたち”の、お祭りの終焉は近いのか・・・それともクソ役人たちが手を変え品を変え・・・この制度の甘い汁を吸い続けるため・・・小手先の言い訳を続けるのだろうか?


”メタボ”騒ぎがもたらしたものは、軽薄な権威あるはずの学者たち、省益・自益誘導・頑盲バカ役人およびそのOB、それに群がるサプリ屋・マスゴミたちのインチキ三昧・・・ゆがめられた日本の検診制度、高血圧・CKD軽視の世相・・・多額の税金注入・・・


日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会 松沢裕次ら 新しい肥満の判断と肥満症の診断基準. 肥満研究, 6, 18-28 (2000)
The Examination Committtee of Criteria for "Obesity Disease" in Japan; Japan Society for the Study of Obesity: New Criteria for 'obesity disease' in Japan. Circ J. 66 11 , 987-992, 2002.


これの問題は・・・
The subjects were 1,193 Japanese subjects (775 men, 418 women; age: 20-84 years old, body mass index (BMI): 14.9-56.4kg/m^2) including subjects undergoing a health examination and obese subjects visiting an obesity clinic.
・・・・すなわち、肥満外来受診者という偏りある対象者で作られたもので、住民を母集団した論文ではない!

こんな報告をベースにすること自体が間違えている!

日本の奇異な”腹囲基準”はこれが諸端である(参考:科学的といえないメタボリックシンドロームに固執する御用学者たち 2007-10-20)。

今回の基準見直しは、この軽薄な学者さんたちが、心を入れ替えたのではなく、単に、諸外国の空気が変わったからそれに従順に呼応しただけである。

国際統一メタボリック診断基準:ウェスト径基準の地位低下と径各国基準容認  2009-10-09



日本のpublic health の指導者であるべき人たち・・・性根が腐っている(参考:
禁煙・節酒に「太め」 メタボ健診に疑問…厚労省 (毎日新聞) 2009-01-30)うちは何も期待できない。税金垂れ流しの国際的な恥さらしを繰り返すだけ。



毎日:メタボ健診:腹囲基準根拠ゆらぐ 3万人データ解析で
2010年2月9日 21時9分 更新:2月9日 21時22分
http://mainichi.jp/select/today/news/20100210k0000m040089000c.html
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策として実施している特定健診・保健指導(メタボ健診)で使う腹囲の基準について、厚生労働省研究班は9日、国内3万人を超えるデータを解析した結果、「最適な値を決めることは困難」とする最終報告を発表した。腹囲が大きいほど発症者は増えたため、研究班は引き続き基準に使うことを提言したが、「線引き」の根拠が大きく揺らいだことで、制度の見直しを求める声が高まりそうだ。

 現在は腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上で、血圧、血糖値、血中脂質の検査値のうち二つ以上基準を超えると、メタボと診断される。メタボは腹部に内臓脂肪がたまると、心血管疾患を発症しやすいという考え方に基づき、08年度から全国の健診に取り入れられた。

 研究班は、地域住民を対象に実施している全国の12の追跡調査を総合的に解析した。心血管疾患を発症する危険性が高い人を見分けるため、40~74歳の男女約3万1000人の腹囲と心血管疾患の発症状況を分析したところ、男性は80センチ以上がそれ未満の1.48倍▽85センチ以上1.56倍▽90センチ以上1.70倍、女性は80センチ以上1.75倍▽85センチ以上1.79倍▽90センチ以上1.62倍と、いずれも腹囲が大きい方が発症割合も高かった。しかし、どの数値で区切っても発症者の割合はほぼ変わらず、危険性の高い集団を選び出すのに最適な数値は算出できなかった。

 門脇孝・東京大教授は「腹囲が増加するほど発症の危険性が高まっており、腹囲の重要性は示された。数値については、医療にかける予算や人材が豊富にあれば小さめに、限られていれば大きめに設定するなど、政策的に決める事項と考える」と話す。【永山悦子】
 ◇解説 抜本的見直しが必要

 メタボ対策を目的にした特定健診・保健指導(メタボ健診)が08年度に始まり、メタボ診断基準の腹囲の数値は、常に注目を集めてきた。だが、腹囲を診断基準の必須項目としているのは、日本だけだ。この分野で大きな影響力を持つ学術団体「米国コレステロール教育プログラム」と「国際糖尿病連合」は昨年10月、腹囲を必須項目とせず、他の血圧や血糖値などの検査項目と同列に扱う統一基準を発表した。

 今回の研究班の報告は、「発症の危険性が高い集団を絞り込む腹囲の数値は出せないが、腹囲検査は有用」という玉虫色の結論になった。腹囲にこだわる理由を研究班の門脇教授は「日本には、腹部の内臓脂肪がメタボの主因であるとする数多くの研究成果がある。診断基準を定めた内科8学会も、腹囲を必須とすることで合意している」と説明する。

 一方、大櫛陽一・東海大教授(医療統計学)は「腹囲の最適値が示せないとの結果は、病気の危険性のある人を見つけ出す項目として意味がないということだ」と指摘。「科学的に効果が判断できない施策を実施することは税金の無駄遣い、その健診結果に基づいて医療機関を利用することも無駄な医療といえる」と批判する。

 今回の結果を受け、関係学会は腹囲の基準値の再検討を始めるとみられる。腹囲を必須項目とする日本独自の基準の是非を含め、抜本的な見直し作業が求められる。【永山悦子】


読売:メタボ腹囲「女性80センチ以上」
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=20564
10センチ厳しく…厚労省研究班

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、メタボ)の考えに基づき、腹囲測定などを行う特定健診(メタボ健診)の診断基準を検証している厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大教授)は、腹囲の基準は男性85センチ以上、女性80センチ以上が妥当とする研究成果を明らかにした。

 現行の診断基準では、男性85センチ以上、女性90センチ以上となっており、女性の基準値がこれより10センチ下回る結果となった。

 研究班は、メタボ健診の対象となる全国の40~74歳の男女約3万6000人を対象に、メタボの条件となる高血糖、脂質異常、高血圧と腹囲の関係を調べた。

 その結果、腹囲が男性85センチ前後、女性80センチ前後になると、メタボの条件のうち2項目以上の異常を併せ持つ人の割合が高くなった。

 現在の基準は2005年、日本肥満学会など8学会が合同で決めた。コンピューター断層撮影法(CT)で腹部の内臓脂肪面積を測り、100平方センチ以上になると、高血糖や脂質異常、高血圧のいずれかを持つ人が増えるとし、それに該当する基準値が男性85センチ以上、女性90センチ以上だとした。

(2010 年2月10日 読売新聞)




共同:女性メタボ基準は腹囲80センチ より厳しく、厚労省 
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020901000922.html
 内臓脂肪の蓄積で生活習慣病の危険性が高まる「メタボリック症候群」の診断基準の妥当性について検討していた厚生労働省研究班は9日、現在は「90センチ以上」としている女性の腹囲を「80センチ以上」に厳しくすれば、より多くの脳卒中や心疾患を予防できるとする研究結果をまとめた。

 メタボリック症候群は、日本肥満学会などが2005年に「腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上」などの診断基準をまとめ、特定健診にも採用されたが、女性の腹囲が男性より緩い点などに異論も出ていた。

 基準が変更されれば、保健指導にも影響を与えることになるが、厚労省生活習慣病対策室は「今回は妥当性判断の一つの材料。必要があれば検討会を設置する可能性もある」としている。

 研究班は、全国の40~74歳の男女約3万6千人に、腹囲と、血圧や血糖値などの関係を調べた。メタボリック症候群は、内臓脂肪蓄積に加え脂質異常、高血圧、高血糖のうち2項目以上に該当する状態だが、男性で85センチ前後、女性で80センチ前後を上回ると、そうした状態になる可能性が3倍に高まり、心筋梗塞や脳卒中が起きるリスクが大幅に上昇することが分かった。
2010/02/09 19:49 【共同通信】

by internalmedicine | 2010-02-10 08:24 | 糖尿病・肥満  

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