子供の健康問題はダイナミックに変化する

近年、アメリカの子供で肥満率や他の健康問題が増加しているが、時間とともに、その状況は、多くの子供で改善し、消失している。特定の子供の時に、半数近くの子どもが肥満やなんらかの健康問題を抱えているが、6年後は半数未満しかその状況は持続していないとs Jeanne Van Cleave(Center for Child and Adolescent Health Policy 、 MassGeneral Hospital for Children)は述べている。

慢性的健康状況はかつて考えられていたほど永続的なものではないということが判明した。

子供の健康状態での、かつての研究は、常に、特定の時代の頻度を計測していた。今回の研究で、時間推移の解析を行い、頻度が増加しているかどうか、その状況の変化が時間とともに推移するかどうか、調査されたことが目新しい。その結果は意外なほど、流動的であった。

子どもが研究参入した時の慢性的健康問題の存在は、1988年は11%、1994年16%、2000年25%、研究の度のパートの頻度尤度でも約10%で、30%から50%へ増加している。だが、その健康状況は流動的で、わずか40%しかその状況は持続していない。母親の年齢が上昇していることが、子供の慢性の健康状態に影響を与えているのではないかと著者らは考えている


Van Cleave らは、3つの、2-8歳の子供の国民後顧的コホート、それぞれ1988、1994、2000年開始で、6年フォローアップし、慢性健康状態、特に、肥満、喘息、他の身体状態、行為、学習困難度を評価し、それが活動性、スクーリング、医療・特異的装備・特化医療を必要とするか解析
連続コホートにおいて、慢性疾患頻度増加はあるが、ダイナックな時間的変化があることを示した。

Dynamics of Obesity and Chronic Health Conditions Among Children and Youth
Jeanne Van Cleave, MD; Steven L. Gortmaker, PhD; James M. Perrin, MD
JAMA. 2010;303(7):623-630.

【デザイン、セッティング、被験者】 3つの国家的小児コホート研究であるProspective study using the National Longitudinal Survey of Youth–Child Cohort (1988-2006) を用いた前向き研究で、研究開始時2-8歳で、コホートは6年フォロアップ
1988 から 1994 (cohort 1, n = 2337), 1994 から 2000 (cohort 2, n = 1759), 2000 から 2006 (n = 905)

【主要アウトカム測定】 生活・就学を制限する状況、医療必要性、特殊装置、専門医療サービスを必要とする状況を親に調査し、最低12ヶ月は続けた
肥満は、BMI年齢95パーセンタイル、疾患状況は、4つのカテゴリー;肥満、喘息、身体状況、行動・学習問題に分類

【結果】慢性的健康問題の最終的頻度は、1994年のコホートで12.8% (95% 信頼区間 [CI], 11.2%-14.5%) 、2000年のコホートで25.1% (95% CI, 22.7%-27.6%) 、2006年のコホートで26.6% (95% CI, 23.5%-29.9%)

慢性疾患の実質的turnover:すべてのコホート参加者のうち
・7.4%(95% CI, 8.3%-10.3%)が慢性疾患を開始から最後まで持続
・9.3%(95% CI, 8.3%-10.3%)が6年内に改善
・13.4% (95% CI, 12.3%-14.6%)が、6年内に新規疾患

6年間の慢性疾患頻度はコホート3でもっとも多く、男性(adjusted odds ratio [AOR], 1.24; 95% CI, 1.07-1.42)、ヒスパニック(AOR, 1.36; 95% CI, 1.11-1.67)、黒人AOR, 1.60; 95% CI, 1.35-1.90) で多い




ADHDを含めて、流動的という記載は、私には意外であった。確かに、ADHDが果たしてほんとに増加しているかどうかも疑問が呈されている(自閉症スペクトラム障害を一般の人は、ライフスタイル変化や科学技術の変化のせいにしたがる  2009-12-10 )この流動性が証明できたら。親のケアと社会的生産性の低下をもたらすがゆえに、光が見えてくるのではないだろうか?

喘息・肥満は流動的で当たり前だろう・・・喘息にはoutgrowの存在があるわけで・・・そして、食行動や運動など日々子どもたちは変化してるし・・・故に、行政や医療介入の余地が大きいのかもしれない。

by internalmedicine | 2010-02-17 09:19 | 医学

 

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